日用品が防災の「懐刀」に――。50年に一度の大雨が九州地方を襲うなど防災の重要性が再認識される中、防災機能を搭載した日用品を各社が開発している。
釘が貫通しないスリッパや防災キットが入るベンチ、ソーラーパネルを搭載したバックパックなどさまざまだ。防災グッズは「緊急時に取り出して使うもの」から「普段から使うもの」へと進化している。
足を守れるスリッパも
寝ているときに地震が発生し、ガラス片などが散らばった床を歩くと負傷する恐れがある。コジット(?阪市?区)は、釘も通さない特殊シートを底面に内蔵したスリッパ「足まもりっぱ」を発売した。ポリエステルを特殊加工したシートを使っており、足を守る。安全靴に必要な試験の中の一つである「耐踏抜き性試験」に合格したという。
消費税抜き価格は1800円。累計3000万円の販売を目指す。同社は「普段はかかとを踏んで家の中で、非常時にはさっと履いて(足を守れる)」としている。
ディノス・セシール(東京都中野区)は、防災士が選んだアイテムを収納した防災セット「水害と震災に備えるマルチキャリーバッグ」を発売した。
同セットは貯水バケツとしても使えるバッグの中に、LEDヘッドライトや生理用品、簡易トイレセットなどが入っている。1995年の阪神淡路大震災を経験した防災士が監修した。税抜価格は8980円。
また同バッグやペットボトルなどを収納できるほか、玄関で靴を履く際のベンチとして使える「薄型収納ベンチ」の販売も始めた。大きさは幅60センチ×奥行き29センチ×高さ46.5センチメートル。価格は1万9900円から。