9月1日は「防災の日」 制定のきっかけは、約5000人が犠牲になった「伊勢湾台風」だった

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災害対策基本法の制定のきっかけにも

   この大被害を受けた2県の現状を鑑みて、国も高潮対策に本腰を入れようと早急に動き始めた。

   台風発生から4日後の9月30日には「中部日本災害対策本部」を設置し、堤防の締め切り、湛水地域の排水、応急救助の円滑化、被災者支援、応急仮設・災害復興・災害公営住宅等の建設・補修、資材の緊急輸送などの復旧活動を一元化した。

   これらの経験を踏まえた上で、被災から2年後の1961年11月15日、防災の概念と国の責務を明確にした「災害対策基本法」が制定された。

   この法律により、伊勢湾台風クラスの台風がやってきても被害を最小限に食い止めるため、行政は防災対策、災害対応を求められるようになり、現在にいたっているのだ。

   「ダイヤモンドオンライン」に掲載された東京大学大学院の片田敏孝特任教授のインタビュー記事によれば、近年、日本で起きている台風は凶暴化の一途をたどっているという。昨年9月、西日本を襲った台風24号は、伊勢湾台風を凌ぐ高潮を記録し、大阪湾は大きな被害を受けたことも記憶に新しい。

   行政が堤防をつくったり、ハザードマップを作成し、避難場所を指定したりするなど、さまざまな対策を行なっていても、いざというときは、個人の危機意識の問題も重要になってくる。

   この「防災の日」にあらためて、災害への備えを少し考えてみてはいかがだろうか。

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