父みたいに死んでほしくない―― 交通事故遺族が「シートベルト」の大切さを、改めて呼びかけた理由

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警察に止められないためでなく、自分と大切な人のために

   長女はシートベルトの着用について、次のように呼び掛けた。

「法で決められたルールはルールだから守る。というのももちろんですが、何のためにルールがあるのかを今一度考えて欲しかったからです。シートベルトは警察に止められないためにするのではなく自分自身の身体と大切な人の笑顔を守るためにしてほしいです」

   運転手が抱くことがある「過信」にも触れた。

「運転をする人は自分は大丈夫。事故なんてしない。と、過信しないでほしいです。運転手も、一緒に乗車する人もきちんとシートベルトを着用してください。仕事が遅くなるのも父の仕事について行ったことがあるのでわかります。ですが命を落としては意味がありません。今の時代,皆シートベルトを着用しなければならないのでダサいなんてことはありません。本人は死んでもいいと思っても残された家族のことを考えてください。自分の身体と大切な人の笑顔のためにめんどくさいかもしれませんが一回一回シートベルトを着用してください」

   肩ベルトだけを体にかけて乗って事故に遭遇した場合、どんな危険性があるのか。自動車メーカー14社でつくる一般社団法人日本自動車工業会(東京都港区)の広報室担当者は29日、J-CASTニュースの取材に、「運転姿勢にもよるが、腰を支えるものがなく肩だけが支えられていて、下半身が固定されてないので、下半身の方から車外に放り出される可能性はあるのでは」と指摘。担当者は「正しい運転姿勢で、しっかりとシートベルトを着用することが安全運転の基本。運転席・助手席はもちろん後部座席でもしっかりとシートベルトを着用しましょう」と呼び掛けていた。

(J-CASTニュース編集部 田中美知生)

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