「子連れOK」は「子どもが何してもいいわけではない」 育児誌があえて「お願い」した、本当の理由

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「本当はぜひ子連れで来てほしい。でも...」

   『ワイヤーママ』は徳島で創刊され、熊本版のほか、三重版、佐賀版など西日本の一部都市でそれぞれ月1回発行。地域密着型の育児誌で、飲食店やイベント情報、子ども向け医療情報などが掲載されている。幼稚園や保育園、小児科、児童館など子育て中の親子が利用する施設で配布している。

   今回話題となった『ワイヤーママ熊本版』の松田大輔編集長(38)は28日、J-CASTニュースの取材に、「掲載した飲食店を利用するにあたって『子連れOK』の言葉を都合よく解釈したり、勘違いしたりする方も中にはいらっしゃいます。そういうことがないようにと、掲載しています」と話す。

   9月号の「お願い」は「子どもと一緒に行きたいカフェ」特集ページのトップにある。今号だけでなく、年1~2回ほど行う飲食店・ランチ特集の際は必ずこの「お願い」を掲載している。きっかけは、以前掲載に向けて取材しようとした際に聞いた飲食店オーナーの話だという。

「オムツを持ち込んで置いて帰ったり、子どもの食べ物はお弁当を持ってきて親御さんだけ食べたり、子どもが泣いたり粗相したりしても親が放置していたり――目に余るマナー違反行為が起きているので、『子ども歓迎』とうたってはいるけれど、勘違いしてほしくないということを、オーナーさんから言われたことがありました」

   こうした話は複数の店から出る。「お店側からは子どもが騒いでしまう、粗相をしてしまうのは仕方ないけれど、いけないことをしたらきちんと叱ることは忘れないでほしい」との声が多数聞こえるといい、松田さんは、

「取材していく中で複雑な思いから断られることもあります。『本当はぜひ子連れで来てほしい。でもマナーを守れない親子連れのお客さんも来たことがあって、雑誌に子連れOKと載せてしまうと、結果として他のお客さんに不利益が及ぶ可能性がある。だから誌面には載せたくない』と、掲載を検討していた飲食店から言われたこともあります。子連れを歓迎したいけど、なかなか言いづらい現状があるようです」

と話す。「お願い」はこのような飲食店側の要望に応える側面もある。

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