人気アパレルブランド「STUDIOUS(ステュディオス)」の店舗BGMで、違法音楽アプリが使用されていたとして、SNS上で批判を集めている。
目撃者は「店舗がこのようなことをして良いのか」と店の姿勢を疑問視する。
「企業として一線を越えてますよ」
ツイッターで2019年8月初旬、「STUDIOUSまさかのMusicFMユーザー」との投稿が広く拡散された。
都内にあるステュディオスの店舗で撮影された写真が添付してあり、レジ横に設置されたタブレットが写っている。タブレット画面では、人気ロックバンドの曲の再生画面が確認できる。
Music FMは、アーティストの許諾を得ずにネット上で投稿された楽曲を無料で配信するアプリだ。同アプリを含む違法音楽サービスをめぐっては、日本レコード協会などが米アップルに対して対応策を求める要望書を提出するなど、たびたび問題視されている。
先の投稿には、「これはアウトだ...」「企業として一線を越えてますよ」などと、運営会社のコンプライアンス(法令順守)意識の低さに驚く声が相次いだ。
投稿者の男性(17)もJ-CASTニュースの取材に、「違法アプリを使っていることに対して憤りを感じました。また服を売るという立場の店舗側がこのようなことをして良いのか、管理不足も甚だしいと思いました」とあきれる。
タブレットはすでに撤去
投稿者が目撃したのは8月8日で、記者が18日に店舗に行くと、タブレットはすでに撤去されていた。
男性店員によれば、客からの指摘があり会社から撤去するよう指示があったという。店内BGMは各店舗の裁量に任されているが、現在は有線放送を流しているとする。 ステュディオスを運営する「TOKYO BASE(トウキョウベース)」(東京都渋谷区)にも8月9日から複数回、見解を求めているが、現時点で回答はない。
トウキョウベースは法的責任を問われる可能性はあるか。著作権問題に詳しい齋藤理央弁護士は取材に次の見解を示す。
「違法配信アプリと『知っているかどうか』によります。知らなかったのであれば、『過失』ありとして民事上の責任は問われますが、『故意』がないとして、刑事責任は問われないことになります。大概担当者は『知らなかった』と回答しますので、そうなると、刑事責任までは問えないことが多いかと思います」
「担当者が違法配信アプリと『知って』、店舗で流していたのであれば、故意のある著作権侵害で犯罪行為です。その場合、担当者のほか、『法人』も別に罰金刑を受ける可能性があります」