一方、ライト層取り込みには課題も...
日本では旅行や休暇でちょっと暇な時にエンタメを見に行こう、という文化がまだ定着途上なので、そういったニーズをTKTSで喚起していくことが狙いだ。ロングランプランニングが全国で開設しているチケットショップも順次TKTSに改装していく予定であり、ライトな演劇ファンを増やし、日本の演劇文化をより身近に、また観光産業の核に据えていける可能性を持っている。
しかし、実際にチケットを買うプロセスには、まだライト層取り込みのための壁が存在する。
TKTSでのチケットのディスカウント率は20~50%であるが、榑松社長によればこれは欧米のディスカウントチケットに比べるとまだ低い数字だ。また、現状支払いはカード決済のみで現金対応の目途は立っていないとのこと。店舗でスタッフが話せる言葉も日本語・英語・韓国語・イタリア語・アルバニア語で、中国語は未対応である。外国人・日本人を問わずふらりと気軽にチケットを買える環境をまだ整えていく必要があるだろう。