「お前、俺の小説パクったろ」飲み屋街で絡まれ... 志茂田景樹、京アニ事件で「体験談」振り返る

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「そのまま盗んだでしょ」

   新人賞受賞後、作家や出版関係者が集う新宿の飲み屋街を歩いていた志茂田さんは、路地の出口で中年男性に「お前、○○○○だよな?」と自身の筆名で声をかけられ、こう言われた。

「お前、俺の小説パクったろ」

   すると「そいつはいきなり 僕の胸ぐらをつかんで 恨みつらみを速射砲のように言い募った」という。「1応募者に過ぎない僕が 同じく1応募者に過ぎないお宅の原稿をどうやって読むんだよ」と反論すると、通行人が集まってきた。そこで「彼は怯んで僕を突き放すと 許さねえからな と 捨て台詞を吐いて姿を消した」。

   新人賞受賞の1年後には、雑誌に掲載されていた短編小説に関して女性から電話がかかってきた。

「登場人物の○○子は私がモデルでしょう ストーリーは私が□□新人賞に応募した小説のものを そのまま盗んだでしょ」

   そんなことを延々と訴えられた。「私はノーベル文学賞を貰う宿命にあるんです」とも言っていたという。またある時は、「いついつまでに某小説誌に発表した短編は私○○○○の盗作であることをA新聞に告白せよ」といった内容の手紙が配達されたこともあったと明かしている。

   いずれも小説家志望の人から「パクられた」と因縁をつけられたという体験談だ。ブログによると、こうした「懸賞小説の闇に毒された人たち」からの接触が途絶えたのは、1980年に『黄色い牙』で直木賞を受賞した後だったという。

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