国会会期中は「毎日深夜労働みたいな状態」
今回、厚労相へ提出された「緊急提言」は3本柱になっている。
1つ目が、「生産性の徹底的な向上のための業務改善」。厚労省職員の負担になっているのは、国会業務だという。国会で開かれる委員会のスケジュールは、1~2日前に決まる。開催予定が直前まで決まらなければ、質疑する議員からの質問通告が遅くなる。通告が開催前日深夜に及べば、答弁作成業務も深夜になる。
「事前に何を質問されますかと議員の先生にお伺いに行くが、どうしてもタイミングが前日の夕方や夜になる。そうすると、100問や200問の質問を夕方からさばかなきゃいけない。深夜労働や長時間労働になる。国会は会期中、ほぼ毎日開かれていますから、毎日深夜労働みたいな状態です」
提言では、委員会スケジュールを早く合意して共有することや、質問通告の2日前ルールの徹底を求めている。委員会での出入り柔軟化も求めており、担当の答弁後はすぐに帰庁し、別の業務を行える旨にも触れている。
2つ目は、「意欲と能力を最大限発揮できる人事制度」。若手チームが行ったアンケートで、「職員を大事にする職場である」と答えたのは、8パーセントだった。希望外の人事になっても、その部署から離れられない構造に疑問を投げかける。
「例えば医療や福祉もやりたいと思っていたのに、自分は年金だと言われると、ほとんどそういう政策にはタッチできない状況にある」
提言では、「意欲と能力のある優秀な職員の抜擢人事と、縦割り行政を見据えた職種間の人事交流を推し進め、組織のポテンシャル最大化へ」と求めている。
3つ目が、「暑い・狭い・暗い・汚い」オフィス環境の改善。「もう、『拘牢省(こうろうしょう)』とは言わせない。オフィス改革による生産性の向上」などをうたい、徹底的な書類の整理やPDF化などを求めている。