厚労省職員の幸せは「1番最後」と考えていた過去
かつて久米さんは、「厚労省の職員が幸せになるのは、(国民の中で)1番最後」と考えていた。
「『お前ら税金で食わしてもらって、国民の期待に応えられる行政をやっていないのに、業務がきついとか生意気言うな』という人もいると思う。ぼくはどちらかというと、そういうふうに当時思っていた。『なんでみんな一生懸命働かないんだ』と」
しかし、6年前に子どもが生まれ、考え方に変化が生じる。
「子どもが生まれて妻に仕事をセーブしてもらった。育休をとってもらったのも妻です。妻はキャリア官僚として入っているので、『自分のキャリアを追求したい』との思いを持ちながらも、そういう働き方にせざるをえない。組織の中ではバリバリ働く人たちが出世していく。(妻が)負い目を感じるのを聞いて、いろんな場面でこういう思いをしている人たちがいるんだろうなと思った。職員1人1人がどうやったら活躍できるんだろう。この人たちが働いてつらいなと思う環境じゃいけないと思っている」
今夏から、妻には働いてもらい、保育園のお迎えは久米さんが行く生活をしているという。
「自分の仕事をある程度セーブしなきゃいけないこともあった。そういう人もみんな活躍できるというか、それで評価が変わらないような組織にしていかないといけない」