「戦友への同情」指揮官批判の引き金に
矢野監督にとって鳥谷は阪神の後輩でもあり、「戦友」でもある。長らくチームをけん引してきた功労者に対するリスペクトもあるだろうが、一部の虎党からは「私情を捨てて勝負に徹してほしい」との反応も。現在チームはクライマックスシリーズ(CS)進出をかけての戦いが続き、3位・広島との差は3.5ゲーム。残り試合を考えれば1つも負けは許されない状態にあり、ひとつの敗戦がペナントレースの行方を大きく左右しかねない。
今シーズン、指揮官は序盤戦に鳥谷をスタメンで起用しチャンスを与えた。ショートのレギュラーの座をルーキー木浪聖也内野手(25)、北條史也内野手(25)と争う形になったが、若手が躍動する一方で鳥谷は結果を残すことが出来ずに代打要員に。元来、一発勝負の代打向きとされない打者だけに、チャンスの場面でことごとく凡退。得点圏では33打数1安打と、まったく数字を残せていない。
指揮官が鳥谷起用にこだわり続ける理由はどこにあるのか。今シーズンの鳥谷を見る限り、ここ一番の勝負強さはなく、それを求めるのは酷かもしれない。虎党からも鳥谷に対して同情的な声が多く、鳥谷への同情が指揮官批判への引き金になっている。残り23試合、阪神のAクラス入りは指揮官の手腕にかかっている。