今シーズンも終盤戦に差し掛かった。セ・パ両リーグにおいて激しい優勝争いが繰り広げられるなか、今オフに控えるフリーエージェント(FA)戦線において動きが見え始めた。すでに国内FA権を取得済の選手に対して、早くも引き留めの方針を打ち出す球団も。
昨オフは、FA権を行使して巨人に移籍した丸佳浩外野手(30)と炭谷銀仁朗捕手(32)らが話題をさらったが、今オフの注目選手は、そしてFA戦線に参戦するチームは果たして...。
セは野村、会沢 パは益田、鈴木がFAの主役に
セ・リーグで今オフのFAの目玉になりそうなのが、広島の野村祐輔投手(30)と会沢翼捕手(31)だ。会沢は今年5月に、野村は7月に国内FA権を取得した。両者ともにFA権の行使に関しては現時点で明言を避けているものの、権利行使ならばセ・パ両リーグを巻き込んでの争奪戦は必至だろう。
一方、パ・リーグで注目されるのは、ロッテの守護神・益田直也投手(29)と鈴木大地内野手(30)だ。今シーズン抑えにまわっている益田は、ここまで47試合に登板し3勝22セーブをマーク。選手会長を務める鈴木は打率.305、14本塁打とキャリアハイの数字をキープしている。ロッテは投打の柱の流出を防ぐべく全力で引き留める方向で、シーズン終了直後に正式に話し合いの場が持たれるとみられる。
セ・パ両リーグを通じて投手難にあえぐ球団は多く、野村と益田の需要は高いだろう。リーグ3連覇を支えた広島の「頭脳」会沢、内外野の守備をこなしリーダーシップに定評のある鈴木も球界で高い評価を得ている。実績のある4選手ゆえ、年俸は高額で野村、鈴木、益田は1億円プレイヤーで、会沢は9200万円(金額は推定)と、こちらも高額を誇る。
FA移籍において、高額年俸がひとつのネックになる。複数年契約で年俸が膨れ上がることもあるが、それ以上に球団を悩ますのが人的補償問題だ。4選手がそれぞれFA移籍した場合、いずれも金銭補償もしくは金銭補償プラス人的補償が発生する。球団が人的補償を希望した場合、移籍先球団は28人のプロテクトリストを提出し、このリストから外れた選手が人的補償の対象となる。