影響拡大「会社の社会的信用にも関わる」
デマが流れるひとつの「根拠」とされたのが、女性のインスタグラムアカウントを宮崎容疑者がフォローしていたこと。だが2人の間に何ら関係がない。「分かりません。全然知らない方ですので、なぜフォローされたのか分かりません」と女性は困惑する。デマを信じて連絡する人々が押し寄せた。
「当初は犯人の名前をフルネームで把握していませんでした。『そいつ(宮崎容疑者)の女か?』というメールも届いていました。でも何のことを言っているのか分からない。メールとフェイスブックとインスタグラムとツイッターの通知が鳴りやまなくて、電話もずっと鳴っていました。最初は一つ一つの内容確認はしていませんでした。流し読みくらいです」
その中でも驚いたことがある。親世代とみられるユーザーも加担していたことだ。
「誹謗中傷はいろいろありましたが、アカウントを一つ一つ見ていった中で、小さなお子さんを抱えるお母さん、子ども自慢の投稿をしているお父さんらしい人もいたことにはびっくりしました。『もし自分が...自分の子どもが...』と考えたらどう対応するのか。それも含めて本当に考えてほしい」
いわれのない中傷は、女性本人はもちろん関係各所にも被害を及ぼしている。
「全く関係ないところから誹謗中傷を受けることがあるんだなと。悪質な表現をされることも結構多かったので精神的ダメージも大きかったです。会社の社会的信用にも関わり、実際に取引先から電話をいただきました。私個人で済む話ではないのです。その影響が非常に大きかった」
誹謗中傷してきた人や拡散に加担した人には、怒りとともにこんな思いも抱いていた。女性は呆れたように語る。
「全く事実ではないことなので、直接連絡してくる人に対しては客観的にすごいなと思いました。『全く知らない人に連絡してくる労力を他のところに使えばいいのにな』とか考えてしまいました。今回これだけ騒ぎが大きくなったことを受けて、拡散の怖さ、恐ろしさ、リツイートも軽い気持ちで関係ないのではなくて、しっかり考えていただきたい」