山口、中川の貢献も大きいが...
MVPの最有力となるのは、やはり坂本だろう。一方、今シーズンいぶし銀の活躍を見せているのがベテラン亀井善行外野手(37)だ。巨人一筋15年目のベテランは開幕スタメンを勝ち取ると、序盤戦は打線の主軸を担い、中盤からはリードオフマンとしてチームをけん引。粘り強くカウントを稼ぎ、勝負強さはチームでもトップクラスで、105試合に出場して打率は3割に届く勢いだ。
原監督が勝負所とした8月に入りチームの不振が続く中、悪い流れを断ち切ったのが亀井だ。9日のヤクルト戦で、巨人は3回まで大量6点をリードされていた。敗戦濃厚の状態だったが、4回以降得点を積み重ね、8回に4点を返してついに9-9の同点に。そして延長10回、1死満塁のチャンスに代打で起用された亀井が犠牲フライを放ちサヨナラ勝利。この劇的な勝利をきっかけにチームは一気に上昇気流に乗った。
投手陣では山口俊投手(32)や、シーズン終盤までリリーフを務めた中川皓太投手(25)らの貢献は大きいが、「影のMVP」はいぶし銀の活躍を見せる亀井だろう。在京球団関係者は「亀井の勝負強さは言うまでもないが、打席での粘りは相手投手にとっては嫌なもの。選球眼が良いのでボール球に手を出さないし、カットがうまい。坂本や丸と違った性質の嫌なタイプの打者ですね」と話す。
巨人の残り試合はあと30試合。23日からは3位DeNAとの3連戦、27日からは2位・広島との直接対決を控える。早ければ23日にも優勝マジックが点灯し、原巨人のリーグ優勝が目前に迫っている。