ケガをしないため、あえてワイヤーに
ちなみに駅前のサザエさん一家は、すべて銅で作られている。しかし波平さんの「1本毛」だけは、ワイヤーを頭頂部にねじ込むような形なのだそうだ。佐藤さんは、
「もちろん、ほかの家族と同じく銅で...という話もありましたが、波平さんのたなびく『1本毛』だけは、どうしても雰囲気が出ない。仮に銅にしたとして、子どもが触って、刺さったりしても危ないですしね」
さすが、サザエさんの街。周囲への気配りを常に忘れない。
また、波平さんの初代声優だった永井一郎さん(2014年没)が亡くなった時には、銅像の前に誰言うとなく花が手向けられた。献花の数は、知らず知らずのうちに増えて行ったのだという。
佐藤さんは、
「もちろん、銅像そのものがハンマーで壊されたとなれば問題ですけど、波平さんの毛で『犯人は誰だ?』とか追求するつもりはありません。サザエさんが大好きなお子さんが、興味本位で触ってしまうケースもありますし。でも抜けた毛は、必ず生えてきますから!」
同商店街では、銅像を乾拭きするなど「サザエさん」一家を家族同様、大切に扱っている。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)