ハンギョレ、京郷は日本が歩み寄らなかったことを非難
主要3紙以外は、総じて韓国政府の決定に理解を示した。ハンギョレ新聞は、「政府が日本にこのように強力な警告を発信したのは避けられない選択」だとして韓国政府の決定を支持。文氏が8月15日の演説で
「今でも日本が対話と協力の道を選ぶなら、私たちは喜んで手を握る」
と呼びかけたにもかかわらず日本側が反応しなかったことや、8月21日の日韓首脳会談でも日本側が歩み寄らなかったことから、
「結局、協定の終了は、日本の自業自得であるわけだ」
だと主張。その上で
「貿易報復中断どころか外交協議すら拒否し、信頼に基づいた軍事情報の交流を継続して欲しい、といのは二律背反だ。安倍政権は今からでも状況の厳しさを察し賢明な選択をすべきだ」
などと日本側を一方的に非難。GSOMIA破棄にともなう韓国側への不利益には言及しなかった。
京郷新聞は、GSOMIAの意義や、破棄にともなう悪影響に言及しながら、その責任は日本側にあると主張した。
「GSOMIAを終了するのは、この協定の締結を手配した米国との関係を悪化させる可能性があるという点で、選択するのは容易でない対応だ。にもかかわらず、大統領府は断固とした決定を下した。これは安倍晋三・日本政府がもたらしたものである」
ソウル新聞は、北朝鮮がミサイルを発射した際の速度や飛行ルートの推定は完全に韓国側の情報に依存しているとして、「GSOMIAは、実効性を計算すれば韓国よりは日本の利点が大きい」と指摘。
「GSOMIAを延長しないことにした以上、韓国政府は、その後の対策に万全を期さなければならない」
として、日本の輸出規制がさらに強化されて貿易規模が縮小することへの備えや、GSOMIAの延長を求めていた米国への十分な説得を求めた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)