朝鮮日報「国民は馬鹿ではない」
8月23日付の社説を見る限りでは、保守系の朝鮮日報が最も激しく韓国政府を非難した。
同紙では、GSOMIAを米国が「全面的に支持する」していたことを念頭に、
「このような状況でGSOMIAを破棄したのは、韓国が(日韓米)3国の安全保障協力を破るというシグナルを送ることだ。北朝鮮と中国、ロシアを喜ばせることになる」
懸念を示し、安保問題で、「ホワイト国」除外問題という経済問題への「対抗カード」を切ったことは「自傷行為に他ならない」と指摘した。
韓国では、司法相の候補者でもあるチョ・グク前青瓦台民情首席秘書官をめぐり、娘が大学や大学院に不正入学したとの疑惑が指摘されている。社説では、GSOMIA破棄でチョ・グク氏の問題によるダメージを食い止めようとする狙いがあったと分析している。
「青瓦台が、このような衝撃的な無理をしたのは、チョ・グク司法相候補者に対する世論が悪化する政局を転換しようとしたからではないのか。大事故を起こして、それを別の大事故で覆い隠そうとするのか。また、安全保障問題を利用することはあまりにも無責任である。国民は馬鹿ではない」
中央日報も、
「(韓国政府の主張にも)一理ないわけではないが、安全保障上の国益を考えると誤った判断だと言わざるを得ない」
と政府の判断を疑問視。日米との関係悪化に懸念を示した。
「この政府は日本と永遠に敵対関係でいくつもりなのか問わざるを得ない」
「このような(米国がGSOMIAを支持している)時に破棄してしまえば、日本はもちろん米国が韓国を信頼できる同盟だと思うだろうか」
東亜日報も、「韓米同盟・北朝鮮核対応十分に考慮したのか」の見出しで、
「お互いを信頼していない関係で秘密を共有することは不可能なのも事実だ。だからといって、その信頼の基盤を崩すことは矯角殺牛(少しの欠点を直そうとして全体をだめにしてしまうこと)の誤りを犯す可能性がある」
などと論じた。