農水省「食品衛生法の見直しまでは考えていない」
検査の結果、商品からはサルモネラ菌などが検出され、汚染された食品の製造日が18年11月12、19日であることが分かった。
このことを受けて、生活クラブは4月15日、念のために、18年4月以降に販売した4万7000個余りについて、家庭内にある商品を廃棄するように公式サイトのニュースなどで呼びかけた。
生活クラブによると、その後の調査では、菌を持っている可能性が高い原料の鶏肉からは検出されず、工場内や従業員からも菌は見つからなかった。8月22日現在も、原因を特定できないままだ。
ペットフードは、食品衛生法の規制対象になっておらず、通常は食品扱いされていない。生活クラブでも、食品ではなく生活用品と位置付けていた。
しかし、今後は、「人の健康被害」と同様に扱い、自主基準として、ペットフードも加工食品と同等レベルの微生物基準を設定するよう検討したいとしている。
検出されたサルモネラ菌は、強い毒性がある種類ではなく、死亡した14匹の多くは、高齢や病気がちだった。症状があった68匹については、商品を食べたこととの因果関係もはっきりしていないという。
とはいえ、訴えのあった組合員に対しては、治療費などの支払いを行った。ペットが死亡したケースでは、個別に訪問して謝罪し、弔い金も渡したと説明している。
農水省の畜水産安全管理課に22日に取材すると、ペットフードを食べて10匹以上も死亡した例は、日本ではあまり聞いたことがないという。
ノースペットに対しては、改善報告を受けた後、抜き打ちの立ち入り検査を行い、改善されたのを確認したうえ、再発防止について指導したとした。
検査は、10年前に施行されたペットフード安全法に基づくものだ。同法では、細菌などが死ぬ温度で加熱するよう規定しており、「今回は、この規定を満たせていなかった可能性がある事例だと考えている」と話した。食品衛生法見直しを厚労省に持ちかけることまでは、考えていないという。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)