高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
芸術展の検閲と公金支出の関係 「納税者の納得」という視点

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文化庁による映画などへの補助事業への疑問

   憲法第21条第2項で禁止されている検閲とは、行政権が主体となり、思想内容等の表現物を対象として事前に内容を審査して、不適切と認めるものの発表を禁止することだ。公金が投入されていなければ、そもそも検閲にならない。大村知事と津田氏は、公金投入を当然とし、その上で検閲になるという理由で無責任になっているだけにしかみえない。

   公金投入となれば、多くの納税者を納得させる必要があるので、物議を醸すものは開催できないので、「表現の不自由展・その後」はそもそも無理というのが、筆者の感覚である。

   しかし、「表現の不自由展・その後」の擁護者は、そもそも公金投入は当然で、その上で検閲になるから、事前チェックできないと、本末転倒なことをいっている。

   筆者は、役人時代から、文化庁による映画などへの補助事業を疑問に思っていた。公金支出なのに検閲禁止を理由として事前チェックがない、まさに今回の「表現の不自由展・その後」のようなケースが横行している。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「安倍政権『徹底査定』」(悟空出版)、「『バカ』を一撃で倒すニッポンの大正解」(ビジネス社)など。


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