オンライン分の余剰、当日券に回せなかった?
ただ、スタンドに数多くの空席がありながら入場できなかったファンがいたことに変わりはない。その点について協会側の落ち度に触れていなかったこともあり、ツイッター上では、
「入場できなかったことへの謝罪はないのか」
「富山県サッカー協会は、サッカーファンに喧嘩売っとるみたい」
「オンラインで前売り買わないやつが悪いみたいな言い方はないだろ」
「観たい試合で当日空きがあるのに追い返されて、さらに謝罪も無しで、どことなく上から目線。こんな状況だったら失望するな」
など発表内容に対して怒りの声が噴出することになった。
富山県サッカー協会は21日、J-CASTニュースの取材に応じ、担当者が当時の状況を説明。それによると、この試合の当日券はキックオフの約15分前には完売した。キックオフ時刻までは試合当日でもオンラインでチケットを購入できるため、当日券を買えなかった来場者に「どこかで買えないか」と聞かれた際にはその旨を説明した。ただ、オンラインでどれだけチケットが余っているかは現場で把握していないため、必ず買えるとは限らない旨も説明した。
当日券の割合を全座席の「10%=約1540席」としたのは、「これまでのデータに基づいて設定しました」とする。ホームのカターレ富山は今季、ホームゲームの平均観客動員数が約2100人、最大でも約3100人。オンラインの前売り券のほうが安価で買えるため、当日券の需要はそれほど多くないと予測した。アウェー・ベガルタ仙台のサポーターは遠方から来場するため、「基本的にオンラインで事前購入するだろう」と考えた。他の都道府県サッカー協会の販売の仕方も踏まえ、当日券は全座席の10%で捌けるだろうと判断した。「実際、仙台のサポーターが当日券を並んで買うことはほとんどありませんでした」という。
だが、完売により当日券を購入できなかった人数は「30~50人」いた。1万席以上余っていたオンライン分の余剰を回せなかったのか。これについて担当者は「できません」と話す。
「オンライン分は、チケット販売サイトごとに予め販売枚数の配分が決まっています。一度配分したら戻すことはできません。確かにオンラインの分を当日券に回すことができれば対応できたかもしれませんが、システム上できません」
一方で、次のように反省も口にしている。
「当日券10%・オンライン90%という配分比率や、できればオンラインで購入していただきたい旨は、事前にアナウンスしておりませんでした。今回、『なぜオンラインのほうが多いと言わなかったのか』というお声も頂きました。その点はこちらの落ち度だと思います。次年度以降は当日券を増やし、オンライン販売の案内も強化することで対応していきます」