5年ぶりのV奪回へ向けて巨人が首位を快走している。2019年8月20日現在、32試合を残して2位・DeNAに6ゲーム差を付けている。早ければ22日にも優勝へのマジックナンバーが点灯する勢いで、いよいよラストスパートに入った。
リーグ優勝、そして日本一。G党の期待は膨らむ一方だが、ここで気になるのが主力選手の今オフの契約更改だ。5年ぶりの優勝ならば、大盤振る舞いが想定されるが、年俸の大幅アップを勝ち取る選手は...。
「ケタが2つ違う」差
高額年俸を誇る巨人の1軍選手において、最もコスパの良い選手といわれるのがC.C.メルセデス投手(25)だ。昨シーズンは7月に支配下登録を勝ち取り、ローテーション入りを果たし、5勝をマークした。昨年11月の契約更改では年俸の大幅アップが期待されたが、1000万円に届かず860万円(金額は推定)でサイン。安すぎるメルセデスの年俸に「ベンツも買えない」とG党から同情の声が相次いだ。
今シーズン、メルセデスは開幕からローテーションの一角を担い、ここまで19試合に先発して8勝6敗をマークし、クオリティ・スタート(QS=先発投手が6回以上投げ、3自責点以内に抑える)を8度達成している。ドラ1左腕・高橋優貴投手(22)が戦線離脱している期間に貴重な先発左腕としてチームに貢献。8月に入ってからは2勝1敗と、調子が上向いてきている。
メルセデスの8勝は、山口俊投手(32)の12勝、菅野智之投手(29)の9勝に次ぐチーム3番目の数字。防御率では3.71の菅野を下回る3.54を記録している。巨人の2枚看板に迫る成績を残し、2ケタまであと2勝の左腕。ちなみに菅野、山口の年俸は、菅野が6億5000万円、山口が2億3000万円(いずれも金額は推定)となっており、メルセデスの年俸とはケタが2つ違う。
球界最高は楽天・福盛の1036%アップ
ペナントレースの行方はまだ分からないものの、メルセデスの活躍は現在の順位に大いに貢献しているだろう。このまま巨人が優勝すれば、メルセデスの年俸はどれくらいアップするのか。過去、巨人の年俸で最高アップ率を記録したのは岡本和真内野手(23)だ。昨シーズン、史上最年少で3割30本100打点を記録し、年俸1200万円から8000万円(金額は推定)へ。567%アップは、球団史上最高で国内では史上6番目のアップ率だ。
なお、国内最高アップ率は、2010年の楽天・福盛和男氏が記録した1036%アップ。年俸440万円から5000万円にアップした。福盛氏のケースはレアケースで、メジャーを目指して海を渡ったものの、マイナー暮らしが続き、シーズン途中からNPBに復帰したという経緯があり、2009年は最低保証の年俸440万円からスタートした。また、それまでのトップは、1995年のイチロー氏の900%アップ(800万円→8000万円)だった。
12人の1億円プレイヤーを抱える巨人において、その半分の6人が投手。860万円のメルセデスは、投手陣の中で25番目の金額となる。チーム3番目の勝ち星を誇る左腕。今オフの契約更改で年俸の大幅アップが見込まれるが、果たしてどこまで上がるのか。ペナントレースの行方とともに注目が集まる。