DeNAのラミレス采配が裏目に出た。DeNAは2019年8月20日、京セラドームで阪神と対戦し0-8の完封負けを喫した。
先発・濵口遥大投手(24)が5回に制球を乱して4失点。打線は8安打を放ちながらも好機で得点出来ずに完封された。4位・阪神との3連戦初戦を落とし、首位・巨人との差は6ゲームに広がり、逆転優勝へ一歩後退した。
指揮官自ら「ターニングポイントだった」
勝負を分けたのは5回。2死2、3塁の場面で1番・近本光司外野手(24)を打席に迎えた。ここでアレックス・ラミレス監督(44)がとった采配は申告敬遠。この日、2打数無安打の近本との勝負を避け満塁策をとり木浪聖也内野手(25)との勝負を選択した。結果的にはこれが裏目に出て、濱口は木浪に対してストレートの四球で押し出し。続く福留孝介外野手(42)に走者一掃の2塁打を許し4点を失った。
指揮官自ら「ターニングポイントだった」と口にした5回の采配。近本を歩かせて満塁策をとったのは、ラミレス監督が重視しているデータによるもの。ラミレス監督によると、近本はDeNAの左投手から5割以上の打率を残しており、一時期は8割を超えていたという。この日は2打数無安打だったが、データ的に「そろそろ出るのでは」との判断で、あえて満塁のリスクを犯したという。
4回まで両先発の投げ合いで0-0の緊迫した状況から一変、2死からの4失点で流れが大きく阪神に傾いた。阪神は6回、7回、8回に一発攻勢で計4得点を挙げ、一気に突き放した。一方のDeNAは6回以降、再三、得点の機会を作るものの、あと一発が出ず残塁の山を築き上げる展開に。一度失った流れを引き戻すことが出来なかった。
22日にも巨人の優勝マジックナンバーが...
制球力が良いタイプではない濱口に対し、より重圧がかかる満塁策。絶対に四球が出せない状況に追いやった指揮官の采配に、ファンからは疑問の声が殺到している。「本当に不可解な采配だった」、「コントロールの良くないピッチャーに満塁策はダメでしょ」、「完全に逃げの采配」など、ネット上ではラミレス監督への不満が充満している。
かつてラミレス監督が自身の采配について「データ8割、フィーリング2割」と語っていた。実際、ラミレス采配がズバリ的中するゲームも数多くあり、否定はできないが、データを重視するあまり、周囲が首をかしげるような采配をするシーンもみられる。ラミレス采配に関しては「短期決戦に強い」など高く評価する関係者がいることも事実。だが、この日の申告敬遠満塁策は、明らかに流れを変えてしまった。
残す試合はあと29試合。6ゲーム差まで広がった首位・巨人と23日から3連戦を控える。直接対決までにゲーム差を縮めたいところだったが、逆にゲーム差は広がった。首位を快走する巨人は5連勝で、早ければ22日にも優勝のマジックナンバーが点灯する。DeNAの失速でセ・リーグの灯火は消えてしまうのか。ラミレス監督の正念場が続く。