広島・長野久義外野手(34)が1軍に昇格する可能性が出てきた。ドーピング検査で陽性反応を示したサビエル・バティスタ外野手(27)の代役として首脳陣の期待が高まっており、近日中に1軍に合流する可能性も。
バティスタの戦線離脱後、チームは2連敗と意気消沈。チームの主軸を担ってきた大砲が抜けた穴は大きく、首位・巨人とのゲーム差は6.5ゲームにまで広がり、リーグ4連覇に黄色信号が灯っている。
夏男の本領発揮、8月は打率4割超え
2位DeNAとの直接対決で痛すぎる2連敗。バティスタが出場選手登録を抹消され、3番に鈴木誠也外野手(25)が入り、4番には松山竜平外野手(33)が。今シーズン初の3、4番コンビとなったが、打線がかみ合わなかった。3連戦の最終日となった18日のゲームでは、3安打のDeNAに対して、広島は5安打を放ったが0-1の完封負け。序盤の好機を生かすことが出来なかった。
バティスタの穴を埋めるべく代役として期待がかかるのが「夏男」長野だ。今シーズンは主に代打要員での起用が多く、ここまで結果を残せず7月3日に2軍に降格。ファームでの調整が長く続く中、2軍でしっかりと数字を残している。「夏男」らしく、ここにきて調子が上向きで、8月に入ってからは打率4割を超え、いつ1軍に呼ばれてもおかしくないほどの絶好調ぶりだ。
残り29試合で巨人と6.5ゲーム差、DeNAとは1.5ゲーム差となっている。4位・阪神には5ゲーム差をつけ、クライマックスシリーズ(CS)進出の可能性は高いといえるものの、広島に求められるのはリーグ4連覇。その救世主として長野の1軍昇格が見込まれ、鯉党からは「活躍を期待している」、「今さら遅すぎる」など、長野の起用について様々な声が上がっている。
2軍でも腐らず...「巨人出戻りはないでしょう」
長野の1軍昇格の期待が高まる一方で、鯉党が心配するのが今オフの去就だ。昨オフ、FAで巨人に移籍した丸佳浩外野手(30)の人的補償で広島に入団したものの、広島では出場機会に恵まれず、ここまで1軍の出場はわずか49試合で、6月18日のロッテ戦を最後にスタメンでの出場はない。長野は国内FA権を有しており、今オフの巨人出戻りが可能なだけに不安を募らす鯉党も多い。
在阪球団の関係者は「長野は2軍でも腐ることなく真摯に野球に取り組んでいる。それが夏場の結果につながっている。チームにも溶け込んでいるし、若手、ベテラン問わず信頼されている。長野の性格からいっても巨人出戻りはないでしょう。それよりも、今はチームに貢献したいという気持ちが強いはず。長野が1軍に復帰すれば流れが大きく変わる可能性もある」と指摘する。
広島は20日からヤクルト3連戦、23日からは中日との3連戦を控え、下位チームとの対戦が続く。そして週明けの27日からは巨人、DeNAとの勝負の6連戦。バティスタを欠いた今、数々の修羅場をくぐり抜けてきた経験豊富なベテラン・長野のバットに逆転Vが託される。