野球界の「ご意見番」こと張本勲氏が、2019年8月18日に放送されたTBS系「サンデーモーニング」で、前日14回165球を投げ切ってサヨナラ勝ちを収めた星稜(石川)のドラフト1位候補の奥川恭伸投手を絶賛した。
「プロでもすぐ通用する」
奥川投手は最速154キロのストレートと、キレのあるスライダー、フォークなどが持ち味。試合は令和初のタイブレーク(無死走者一、二塁からスタート)となり、11回には2度も足をつりかけた。しかし、延長戦に入っても球威は落ちず、最後まで1人で投げ切った。
張本氏は「試合を見とったんだけどね」と前置きした上、
「各界、スポーツ界...こういう選手が出るんだね。すごいピッチャーが出てきた。しなやかで腕は振れるし。183センチでしょ? 上から投げ下ろす速球は角度があるし」
続けて、
「スライダーがいい。大投手、昔の西鉄(ライオンズ)の稲尾(和久)さん(故人=1937年~2007年)によく似ている。速く落ちる球(スライダー)は、プロでもすぐ通用する」
と太鼓判を押した。
稲尾さんと言えば、プロ通算276勝を挙げた文字通りの大投手である。そのピッチングは「神様、仏様、稲尾様」と言われるほどの選手だった。
篠塚氏も「佐々木投手よりいい」
この日、同番組で共演した元巨人の篠塚和典氏も、
「東北では、佐々木(朗希)投手(岩手・大船渡高)が騒がれているけど、使えるとしたら奥川の方がいい。安定しているし、体もしっかりしているし」
と話し、163キロ右腕より高評価であることを強調した。
ちなみに、奥川投手は同試合で23個の三振を奪った。延長戦となったため参考記録だが、これは元中日の坂東英二氏(徳島商)の25個、元巨人の江川卓氏(栃木・作新学院)の23個に並ぶ数字。坂東氏、江川氏も延長戦のため同じく参考記録で、9回での公式奪三振記録は、楽天の松井裕樹投手(神奈川・桐光学園)の22個が最多記録となっている。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)