東京五輪まで、残り1年を切った。1964年の前回ほどではないが、大会開催に向けて、東京23区各地で、再開発が急ピッチで進められている。
2020年の東京はどのように変わるのか。現在進行中のプロジェクトをおさらいしてみよう。
選手村はマンションになる
まずは、五輪によって大きく影響を受けるエリア。東京ビックサイト(江東区)は大会期間中、報道機関が拠点を置くメインプレスセンターなどに使われる。見本市やイベントなどには使えなくなるため、代替施設として東京テレポート駅付近に「青海展示場」を仮設。この4月に開業し、先日(8月9~12日)のコミックマーケットでも活用された。
豊洲移転によって生まれた旧築地市場(中央区)の広大な跡地には、オリパラ用の駐車場が整備される予定。2700台ほどを収容できるというが、大会後にどう使われるかは未知数だ。ちょっと南に下った、晴海地区(中央区)には1万8000人を収容できる選手村が整備される。ここは大会終了後に「HARUMI FLAG」と名を変え、分譲マンションに転用される。小中学校も整備され、2023年度に新たな街が生まれる予定だ。現状では、勝どき駅(都営大江戸線)から約10分、新豊洲駅(ゆりかもめ)から約20分と、そこそこ距離があるが、都心部からのBRT(バス高速輸送システム)が整備され、近くに停留所が設けられることになっている。
「東京BRT」と名付けられた、その路線の都心側ターミナルである虎ノ門(港区)にも、大きな変化が起きている。19年12月には「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」が竣工予定で、20年には東京メトロ日比谷線の新駅「虎ノ門ヒルズ駅」(最終完成は22年予定)も開業。21年1月の「レジデンシャルタワー」、23年7月(いずれも予定)のステーションタワーとともに、より「ヒルズ」の勢力を広げる。また、近隣でも「東京虎ノ門グローバルスクエア」(20年6月竣工予定)などの再開発が進められている。