掃除しないと「風化や傷みが速くなる」
そもそも「水をかけてはいけない」とされる理由として、「ご先祖様の頭から水を注ぐのは失礼にあたるから」というものがある。佐藤社長は「墓石を体に見立てるのは構いませんが、墓石はあくまで石ですから、綺麗にしてあげたほうが長く持ちます。水をかけず、掃除しないでいると、汚れて墓石の風化や傷みが速くなります。生き物の影響や埃などでベタベタするとカビも生えます」という。
水をかけると墓石が割れる可能性があると言われることもあるが、これについては「単純に水をかけたからではなく、墓石に元々亀裂が入っていたところに水がしみ込んでしまい、膨張するなどして割れることはあります。その場合は取り替えたり補修したりします」という。
一方で佐藤社長は「私が言っているのはあくまで一般論です。すべてのケースを完璧にフォローしているわけではありません」として、墓石がある環境によって掃除の仕方も異なるとする。
「砂が舞っている地域なら水をかけてから砂を落とさないと、いきなりこすったら傷だらけになります。でも、たとえば鹿児島の桜島のほうは灰をよけるために墓石に屋根が付いているところがあります。北海道では降雪対策で室内に墓石を置いているところもあります。そういう場合は汚れが付きづらいですから優しく磨けば十分ですね。状況に合わせて掃除の仕方は変わります」
(J-CASTニュース編集部 青木正典)