米ボクシング専門誌「ザ・リング」が発表した最新の格付けが波紋を広げている。
最新のバンタム級のランキングで、「問題児」ルイス・ネリ(24)=メキシコ=が1位にランクアップ。同級王者には「モンスター」井上尚弥(26)=大橋=が君臨するが、各団体の王者を押しのけて無冠のネリが1位の座に。老舗専門誌の格付けに対して日本のボクシングファンから疑問の声が上がっている。
「教科書通りのリバーショット」
リング誌が発表したバンタム級のランキングは、王者が井上で1位がネリ。2位にはWBO王者ゾラニ・テテ(31)=南アフリカ=、3位にWBAスーパー王者ノニト・ドネア(36)=フィリピン=が続く。WBC世紀王者ノルディ・ ウーバーリ(32)=フランス=は4位につけ、井上の実弟でWBC暫定王者・拓真(23)=大橋=は7位に格付けされている。タイトルホルダーが名を連ねる中、リング誌はネリを1位に格付けしている。
日本では悪名高いネリだが、ボクシングの本場・米国では高い評価を受けている。ネリが1位にランクアップしたのは、米国のリングで結果を残したのが大きな要因とされる。7月20日(日本時間21日)に元スーパー王者フアン・カルロス・パヤノ(35)=ドミニカ共和国=を9回KOで下し、デビューからの連勝を「30」に伸ばした。リング誌はパヤノをKOしたネリのパンチを「教科書通りのリバーショット」と高く評価している。
このリング誌の格付けに不満を持つ日本のボクシングファンは多い。いまだ晴れることのない薬物疑惑と体重超過事件。WBC世界バンタム級王者だった山中慎介氏との2度にわたる世界戦でネリが日本ボクシング界に残した「負の遺産」は大きく、ルールを守れないボクサーが井上に次ぐ位置に格付けされたことに、ネット上では不満や疑問の声が多く寄せられ、「世界のリングからの追放」を望む過激な声も見られる。