愛知県の大村秀章知事が、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」での少女像展示中止などを巡るツイートを削除して、様々な憶測を呼んでいる。
大村知事は、ツイッターを更新し、「展示中止と関係のない関係者に迷惑をかけた」とその理由を説明した。
和田参院議員もツイッターで言及
慰安婦問題を象徴する少女像などを展示した「表現の不自由展・その後」の中止を巡っては、大村知事は、芸術祭の実行委会長として、表現について行政が介入すべきではないとの持論を会見などで述べた。
そして、展示に異論を唱えた河村たかし名古屋市長らにツイッターなどで反論し、ネット上で論議になっていた。
ところが、展示問題などをつぶやいた2019年8月2日以降のツイートを13日までにすべて削除し、一体何が起きたのかとネット上で波紋が広がった。
「何で消えたん?」「表現の自由はどこ行った」「説明はしろよ......」といった声がネット掲示板などで上がり、大村知事へも脅迫があったのだろうかとの憶測も出た。展示に批判的な和田政宗参議院議員(自民党)は、「愛知県の大村秀章知事は、なぜ『あいちトリエンナーレ』芸術監督の津田大介氏と一緒の写真を載せたツイートを消したのだろうか?」と疑問を呈した。
一方、あいちトリエンナーレの公式サイトでも、芸術祭へのスポンサー一覧が載った「協賛・協力」のページが13日までになくなった。ネット上では、このことと大村知事のツイート削除は何らかの関係があるのではといった声も出ていた。
ツイート削除について、大村知事は13日夕、ツイッターを更新し、次のように理由を述べた。
消えたツイートはブログに掲載した、と説明するが...
「最近、私は過去のツイッターの一部を削除しましたが、これは 愛知トリエンナーレの展示の一部中止の件と関係のないお知らせの関係者に対し、同件に関する書き込みがなされ、ご迷惑をおかけする事態になったため、やむを得ず削除したものです」
そのうえで、削除したツイッターの内容については、ブログに掲載したと説明した。ただ、掲載されているのは、甲子園やロボカップといった展示問題に関係のないものばかりだ。
一方、「協賛・協力」のページが公式サイトから消えたことについては、トリエンナーレの公式サイトで8月13日、お知らせで次のように説明した。
「『あいちトリエンナーレ2019』の展示内容について、協賛企業・団体の皆様へ電話、メール等により様々なご意見等が寄せられ、ご迷惑をおかけしている状況等にもあることから、当面、公式Webサイトへの協賛企業・団体名の掲載について見合わせることとしました」
実行委事務局の広報担当者は、J-CASTニュースの取材に対し、10日にページを一時的に中止したとし、苦情の殺到などでスポンサーを降りる企業などがあるかについては、「その有無を言うことで、また苦情が想定されますので、お答えできません」と答えた。
大村知事のツイート削除との関連については、「関連しているとの認識はないです」としている。
スポンサー企業の1社は、10日夜に協賛担当者が実行委事務局からメールでページ削除の通知を受けたことを取材に明らかにした。その理由については触れていなかったといい、同社でも理由は認識していないとした。
展示問題については、「当社から働きかけは一切行っておらず、スポンサーを降りる予定もないです」としている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)