「認証アカ」を乗っ取り→相次ぎ権利侵害 専門家「ツイッター側が管理していないのは問題」

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   著作権侵害を繰り返しているとみられるツイッターアカウントに、ツイッター社の「認証バッジ」(認証済みアカウント)が付与されていることが分かった。

   J-CASTニュースによる取材の結果、かつてこのアカウントを使用していた企業が「乗っ取られた」と回答。同社は管理が不十分だったと謝罪したが、専門家はツイッター社にも管理する責任があると主張する。

  • 該当のツイッターアカウント(一部編集)
    該当のツイッターアカウント(一部編集)
  • 該当のツイッターアカウント(一部編集)

フォロワー数1万超も素性不明

   ツイッター社は、著名人など世間の関心を集めるアカウントが本物であるとの目印として、認証バッジを審査のうえ付与している。バッジが与えられると、アカウント名の横に青のチェックマークがつく。

   しかし、不適当とみられるアカウントに認証バッジが付与されていることが分かった。

   「To be continued...」と題されたこのアカウントは2009年5月に開設され、1万5000人以上のフォロワーがいる。現存する最も古い投稿は19年3月で、話題になったツイートやテレビ番組などを転載したり、

「この投稿にいいね&フォローしてくれた人全員フォロー返す」
「Amazonギフトを1万円分を10枚プレゼント!〈応募方法〉•フォロー&リツイートのみ!」

と何かしらの反応やフォローを呼びかけたりする内容が大半だ。

   プロフィール文の記載はなく素性は不明だが、6月14日時点のアカウントを確認すると、ユーザー名やプロフィール画像が現在(8月上旬)とまったく異なる。当時の紹介文では

「とある社長の独り言。ITがメインの日本の経営者です。僕をフォローすると金持ちになれる[講演や仕事依頼はメールください]follow me」

とあり、そのほか、フリーのメールアドレスやまとめサイトのURLが書かれていた。

ツイッター社の見解は

   ツイッター社は次の場合、認証を取り消す可能性があると明示している。

「表示名や自己紹介を変更し、Twitterの利用者の誤解を意図的に招こうとしている」
「Twitterルール(著作権侵害やなりすましなど)に違反するアクティビティに関与している」

   前述のアカウントは認証バッジを持つにふさわしいのか。ツイッタージャパンの広報に聞くと、「プライバシーおよびセキュリティの観点から個別のアカウントに関することはお答えできない方針となっております」と見解を示さなかった。

   ITジャーナリストの篠原修司さんは取材に対し、「アカウントはいまのところはフォロワーを多く獲得することを目標としているように見受けられます。ある程度集まったところで広告をツイートする、もしくは詐欺サイトへ誘導するものと思われます。お金儲けが目的です。いまはその準備段階でしょう」と推測する。

   篠原さんは、運用者はアカウントを乗っ取ったか購入した可能性が高いと指摘し、「同アカウントに限らず、認証済みアカウントをツイッター側が管理していないのは問題だと思います」とツイッター社にも責任があるとする。

「認証済みアカウントにはツイッター社公認のイメージがあり、多くのユーザーは信頼してしまっています。それなのに、管理をしていないために現在は詐欺に使われてしまっています。ツイッター社は『本人確認を行っているだけ』と主張するでしょうが、ツイッター社が発行した認証済みアカウントで著作権侵害や詐欺行為が行われているわけですから、管理する責任があると思います」

本来のアカウント主「法的措置も検討」

   ユーザーIDの「RTLNOW」について調べると、ドイツの動画配信サイト「TVNOW」にたどり着いた。サイトは以前、「RTLNOW」という名前だった。

   TVNOWの運営会社は19年8月7日、J-CASTニュースの取材に、アカウントは同社のものだと認めた。

   同社が運用していた当時から、このアカウントは認証バッジが付けられていた。しかし、サイト名変更に伴い16年初旬以降は使っておらず、今回の取材を受けて乗っ取られていると気づいたという。当時のパスワードではログインできず、登録したアドレスも変えられていたため、パスワードのリセットもできなかった。ツイッター社にはアカウントの削除依頼を送り、叶わなければ法的措置も検討するとした。

「以前のアカウントが現在引き起こしている不穏な活動については非常に申し訳ありませんが、このアカウントで公開されているコンテンツからは明確に距離を置いています。私たちとは何の関係もありません」(担当者。原文は英語、編集部翻訳)

   なお、このアカウントとプロフィールに記載されたまとめサイトに取材を申し込んだが、期日までに回答はなかった。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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