公開価格「1500円」まであと少しだが... ソフトバンク株価、揺れる投資家心理

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証券会社も見方分かれる

   それでも公開(売り出し)価格の1500円にはなおギリギリ届かず、「上場後一度も公開価格を上回ったことがない」という状況は続いている。これについては上場後初の6月の株主総会で株主から不満の表明が相次ぎ、宮内謙社長が陳謝する事態となった。新規公開で売り出されたソフトバンク株は総額2兆6000億円と過去最大級で、9割弱が個人に販売されたとされている。その人たちがいきなり抱えた含み損が解消されないのだから、不満も募ろうというものだ。

   もっとも、ソフトバンクの業績は堅調だ。2019年3月期連結決算(国際会計基準)は売上高が前期比4.6%増の3兆7463億円、純利益は7.5%増の4307億円と増収増益。ソフトバンクは配当性向が高いことが投資家に人気なのだが、2019年3月期は41.7%。つまり純利益4307億円の4割超の配当金総額1795億円を株主が分け合った。2020年3月期についてもヤフーの子会社化によるシナジー効果が期待されるほか、本業の携帯通信事業も「競合他社の携帯新料金が与える影響は少なく、携帯通信サービス収入増が見込まれる唯一の会社」(野村証券)と評価されている。

   ただ、株価については国内外の証券会社の見方が分かれており、5月下旬以降をみても目標株価を引き上げる会社、引き下げる会社とまちまち。また、上場後一度も公開価格を超えられないなか、公開価格に近づけば損切りの売り圧力が出ているようだ。米中貿易摩擦などで株式市場全体として冴えない動きの中で、ソフトバンク株が公開価格を超えられるかどうかについても投資家心理は強気と弱気入り乱れ、まだら模様になっている。

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