星稜・奥川の投球に「プロ関係者は安堵」 圧巻の94球3安打完封劇

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   第101回全国高校野球選手権大会第2日目が2019年8月7日、甲子園球場で行われ、今大会ナンバーワン投手の呼び声高いプロ注目の星稜・奥川恭伸投手(3年)が圧巻の完封勝利を飾った。

   旭川大高を相手に3安打9奪三振の好投でストレートはMAX153キロをマーク。味方打線が2回に挙げた虎の子の1点を守り切り、全国制覇へ好スタートを切った。

  • 高校野球の聖地・甲子園球場
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打者30人に対してほぼ完ぺきな投球

   プロ注目右腕が初回からエンジン全開でスタンドを沸かせた。先頭・佐藤一伎(3年)の4球目に150キロをマークすると、スタンドからは大きなどよめきが。そしてカウント2-2からの5球目、渾身の力を込めて投じたストレートで空振り三振に打ち取った。球速は自己最速タイとなる153キロ。続く2番、3番を連続三振で仕留め、三者連続三振のド派手な立ち上がりだった。

   150キロを超えるストレートに130キロ台のスライダーを織り交ぜ、旭川大打線に与えたヒットはわずかに3つ。四球は5回に与えた1つのみ。試合後、奥川は「反省するべき点の方が多かったです」と殊勝に振り返ったが、打者30人に対してほぼ完ぺきな投球内容で夏の大会1勝目を挙げた。

   中学3年で全国制覇し、星稜では1年生からベンチ入り。昨年は2年生で唯一、U-18侍ジャパンに選出され日の丸を背負った。中学生時代から奥川の名は全国区で、高校2年になると、プロのスカウトからも注目され始めた。ストレート、変化球のキレに加えて制球力は超高校級で、183センチ、82キロの体格も大きな魅力となる。今秋のドラフト会議の目玉のひとりでもあり、ドラフト1位候補に挙がっている。

「球団が唯一心配しているのが投球数」

   春、夏合わせて4度目の甲子園出場となる奥川。その実力はすでにプロのスカウトの折り紙付きで、今大会の成績によって評価が変わることはないという。プロ野球関係者が心配するのが、トーナメントを勝ち進む上での球数だ。甲子園での投球過多は毎年のように議論され、プロ注目の投手であればなおさらである。星稜は複数の投手を抱えており、投球過多の不安は少ないが、プロ関係者は心中穏やかでないという。

   在京球団関係者は「奥川選手は甲子園でその力をアピールする必要のない選手。スカウトはもう十分に分かっていますから。球団が唯一心配しているのが投球数です。今回は94球で終えてくれたので、プロ関係者はみなホッとしていると思います。この秋のドラフトで1位指名する球団もあるでしょうから、関係者は気が気でないと思います」と話す。

   旭川大のエース能登嵩都(3年)との投げ合いを制して夢の全国制覇へ一歩前進。プロ注目の右腕は次戦について「目標は0点。点数を取られる場面もあると思うけど、そこでの気持ちの切り替え方を大切にして、何とか粘り強く勝てればと思います」と意気込みを語った。

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