「表現の不自由展」中止を新聞はどう報じた 朝日は大論陣、一方産経は、読売は...?

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   国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止になった問題をめぐり、新聞各紙はどう報じているのか。主要紙を見比べると、扱い方や論点の違いが見受けられる。

   「『表現の自由』が大きく傷つけられた」と中止を問題視し、連日大きく報じるところがある一方、「公的イベントで適切だったか」と中止に理解を示す視点に触れたり、淡々と扱うにとどめたりするところもある。

  • 「表現の不自由展・その後」の公式サイト(2019年8月6日夕現在、表示が確認できる)
    「表現の不自由展・その後」の公式サイト(2019年8月6日夕現在、表示が確認できる)
  • 「表現の不自由展・その後」の公式サイト(2019年8月6日夕現在、表示が確認できる)

中止発表の翌日、朝日は1面など大展開

   会場がある愛知県の大村秀章知事(同芸術祭の実行委員会会長)が中止を発表したのは、2019年8月3日。トリエンナーレは、1日に始まったばかりだった。いわゆる従軍慰安婦を象徴する少女像の展示をめぐり、「脅迫」のような抗議が相次いだとして、「安全・安心な運営が難しくなる」と中止理由を説明した。

   この中止を報じる4日付朝刊(東京最終版)以降、6日までの一般主要4紙(読売、朝日、毎日、産経)の朝刊での報道ぶりを比較してみた。

   <朝日:4日>「表現の自由」が損なわれたという視点から中止を問題視し、連日大きく報道しているのは朝日新聞。4日付朝刊では4紙中、最も大きく紙面を割いた。1面トップ(4段見出し)、1面解説記事(視点)、1面コラム(天声人語)、2面(総合面)「時時刻刻」、さらに第1社会面(見開いて左側紙面、1社)の肩(第2項目扱い、4段見出しなど)で扱った。

   このうち1面解説記事(編集委員執筆の「視点」)の見出しは、「許されない脅迫 考える場奪った」。2面・時時刻刻には、2人の識者のコメントが、それぞれ2段見出しで紹介され、「政治家の中止要求、検閲的行為」「混乱を理由 反対派の思うつぼ」と、いずれも中止に批判的な文言だった。一方、1社記事の見出しには「少女像に怒声・『終了』に落胆」とあり、展示内容に批判的な声があったことにも触れている。

   <朝日:5、6日>朝日はさらに、5日付では第2社会面の2段見出し「表現の不自由展中止 会場前で反対の抗議」で報じた。6日付でも再び大展開し、社説「あいち企画展 中止招いた社会の病理」や、第1・第2社会面見開き(1社トップは4段見出し「表現の不自由展 政治家中止要請 憲法21条違反か 応酬」)、文化・文芸面「抗議殺到で中止 悪しき前例」「芸術祭 異なる背景知る機会」(横見出し)と扱った。第2社会面の識者への取材内容をまとめた記事の見出しは、いずれも横見出しで「展示中止 どう考える」「『嫌いでも尊重』が表現の自由」「意見伝え 作者の意図も聞く」だった。

   また、社説の本文では、

「『表現の自由』が大きく傷つけられた。深刻な事態である」
「一連の事態は、社会がまさに『不自由』で息苦しい状態になってきていることを、目に見える形で突きつけた」

と指摘。さらに1社では、「『政府万歳しか出せなくなる』 永田町からも危惧する声」との見出しの囲み記事もあった。

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