2019年8月3日に行われた神戸市の「みなと神戸海上花火大会」で、花火を撮影するカメラマンの場所取りの過熱ぶりが、1枚の写真でネット上に拡散した。
神戸の山から港を見下ろす写真の中で、場所取りのための無数の三脚が夜景をさえぎっていた。J-CASTニュースの取材に応えた投稿者は、現地の様子や投稿の動機を語った。
撤去の猶予は「花火3日後」まで
写真はツイッターユーザーの「こまつ」さんが、みなと神戸海上花火大会の前日の8月2日に 撮影したものだった。場所は神戸市中央区の「市章山(ししょうざん)」の展望台で、もともと神戸港の夜景を望めるスポットとしてカメラファンの間では知られている。ロケハンに来たところ、すでに多くのカメラの三脚が場所取り用に置かれていた。
またほとんどの三脚には、神戸市建設局森林整備事務所により7月30日付で
「この物件は不法占拠ですから所有者は来る8月6日までに撤去して下さい」
という文言のステッカーが付けられていた。つまりは7月30日までに多くの三脚が置かれていたことになり、これほど早くから場所取りがされていたことに驚いた。その場で三脚の持ち主のあるカメラマンとも話をしたところ、「それくらい早くしないと場所が取れない」とも言っていたという。
J-CASTニュースが同事務所に8月5日に取材すると、確かにこの市章山や、同じ神戸市内の「錨山(いかりやま)」で三脚による場所取りが行われて市民から苦情が寄せられていた。展望台は登山道の途中に立地し、登山客の迷惑でもありかつ市有地であったことから、不法占有として警告のステッカーを貼ったそうだ。
しかし、ステッカーに書かれた撤去までの猶予は8月6日までで、肝心の花火大会は終わっている。なぜその場で撤去しなかったのか、行政の対応にもこまつさんはもどかしく思ったが、この対応について森林整備事務所は、「花火大会のケースに限らず不法占有の際は、即時撤去せず1週間の期限を設けるようにしています」と答えた。