「前半のダブルボギーみてテレビ観るのやめた人は、損しましたね。今観てる人は本当、得したよね」――20歳の若さで渋野日向子選手がゴルフのAIG全英女子オープンで優勝し、日本勢42年ぶり2人目のメジャー制覇という偉業を成し遂げた瞬間がテレビ中継で流れたのは、日本時間で未明の3時前ごろだった。
ライブ中継中、ゴルフキャスターは冒頭の発言で、優勝とその後の会見をリアルタイムで見ることが出来た喜びを視聴者と分かち合った。ツイッターでは、渋野選手が途中で首位陥落したタイミングなどで「諦めて寝た」人から、「快挙の瞬間、見逃した~」と後悔する声が寄せられている。
「我慢して起きてた人は、本当、良いシーンを観たと思います」
2019年8月5日未明(日本時間)、渋野選手が全英オープン初優勝を決めた。この日のテレビ中継(テレビ朝日系)で解説者を務めた、LPGA(日本女子プロゴルフ協会)顧問の樋口久子さん(73)が1977年に全米女子プロを制して以来、42年ぶりの快挙となった。
勝利が決まった最終18番のバーディーパットを沈めたシーンは5日未明の3時少し前ごろ。その後しばらくして、トロフィー授与式での挨拶や日本や海外メディアの各種インタビューが続いた。一連の様子は、地上波ではテレビ朝日系が概ねリアルタイムで放送した。
渋野選手が授与式の挨拶を終えたころ、生中継でゴルフキャスターの戸張捷さんは、
「前半のダブルボギーみてテレビ観るのやめた人は、損しましたね。今観てる人は本当、得したよね」
と、歴史的瞬間を見届けた満足感を視聴者と分かち合うかのようなコメントをした。日本での放送時間が未明に及んでいることを念頭に、
「我慢して起きてた人は、本当、良いシーンを観たと思います」
とも付け加えた。
放送始まり「いきなりダブルボギー」
そんな渋野選手は最終日、首位スタートだったが、3番ホールで4パットのダブルボギー(規定打数より2打多い)をたたいてしまう。この場面が放送されたのは、番組スタート(4日23時10分)からすぐの23時20分過ぎ頃(日本時間)だった。
「見てたら いきなりダブルボギーで『あ~やはり日本女子(ゴルフ)はだめだな~』と思い、チャンネル変え寝ました」
こんなツイート主と同様の行動を取ってしまった人は、かなりいたようだ。そして、朝になって起床してから優勝を知り、驚いたり、寝てしまったことを後悔したりする「つぶやき」を発信している。
「ダブルボギー。眠気も限界になり寝っちゃった。でも朝起きたら優勝していた」
「優勝したのか。(略)見るのやめたけど、見とけばよかった」
「渋野ちゃん優勝してるやん。睡眠欲に負けてしまって快挙の瞬間見逃した~~」
といった具合だ。
一方で、優勝の瞬間を見届けた人からは、
「ダブルボギーの時、もう寝ようと思った!寝なくて良かった。最後のバーディーパット最高だ!」
「絶対優勝すると信じてました(笑顔の絵文字)寝不足だけど。。3番のダブルボギーで寝た人は今頃後悔ですね」
と満足感が伝わる声が寄せられていた。
5日の全国紙夕刊(東京最終版)は、読売、朝日、毎日ともに渋野選手の優勝を1面トップで報じた。今後も渋野選手の帰国に合わせ、メディアの注目度が高い状態はしばらく続きそうだ。