韓国の「ホワイト国」除外をめぐる問題で、麻生太郎副総理兼財務相が2019年8月2日の記者会見で、そもそも韓国は日本が指南した上でホワイト国に指定されたとして「忘れてもらっちゃ困るよ?」などと述べた。このホワイト国指定は「紳士協定みたいなもん」で維持されてきたが、「それが訳が分からん」状態になった、とも指摘。これまで政府が主張してきた韓国側の輸出管理体制の不備を、麻生氏独自の表現で改めて説明した形だ。
さらに麻生氏は「まあ一つの例ですよ」と断りつつ「オウム真理教知ってる?」とも話し、日本から輸出された材料がサリンに転用されることへの懸念もにじませた。韓国の輸出管理をめぐる問題では、「政府関係者」によるサリン転用の懸念が報じられることはあったが、現職閣僚が記者会見で発言するのは珍しい。
「我々日本が韓国にやり方を全部教えたんだからね」
麻生氏の記者会見が行われたのは、ホワイト国除外を決めた閣議の直後だ。麻生氏は「正式に今日、閣議決定してますから、そういった意味では予定通り」だとした上で、04年の韓国のホワイト国入りには日本政府のお膳立てがあった経緯を説明した。なお、04年には、麻生氏は小泉内閣で総務相を務めていた。
「だって、ホワイト国になるという条件をどうやって取れるかというのを、我々日本が韓国にやり方を全部教えたんだからね。忘れてもらっちゃ困るよ?これ、日本が全部やって、それで韓国がそのとおり、ということで出来るようになりました」
その上で、「ホワイト国」としての信頼関係に問題が生じる様子を、
「(ホワイト国に)なったらいきなり、何となく『韓国さん、おたく、輸入して、全部それ、おたくの中でちゃんと消費してます?という数字にしてはちょっと大きすぎるんじゃないの?これ、どっか訳の分からんところに輸出してないでしょうね?』。そういうことしない、っていう約束でこれは成り立ってる話ですから。一種のgentleman's agreementみたいなもんでやってるもんだからね、紳士協定みたいなもんでやってるんだから。その上で、それが訳が分からん、と」
と表現。その上で、
「フッ素なんて言う話は、すぐにサリンに使えるという代物であるということは、これはもう...」
などと話した。