車種は減らしても...
こうした構造改革策がうまく機能すれば、生産体制を縮小しても2018年度に69%だった稼働率を22年度には86%まで上昇させて効率化を図り、車種は減らしても魅力的な商品をそろえて、18年度に約550万台だった全世界の販売台数を22年度に約600万台に増やせると目論む。結果として売上高も約13兆円から約14兆5000億円に増える皮算用だ。もっとも、「100年に一度の変革期」を迎えている自動車業界で、その変革をリードするようなヒット商品を生み出しながらも、リストラを進めることは決して容易ではなく、「ゴーン後」の経営陣の舵取りは困難を極める。
ギリシャ神話では、開いた「パンドラの箱」からあらゆる災いが飛び出した後、最後に希望が残ったとされる。果たして日産は希望を見いだせるだろうか。