真菜さんの父「2人の尊い命まで奪った人が逮捕もされず」
この日、真菜さんの父・上原義教(よしのり)さん(61)も沖縄から駆け付けていた。上原さんは「本当に悔しい」と涙を浮かべた。
事故の前日、真菜さん、莉子さんと電話で会話した。莉子ちゃんとの思い出を、義教さんは声を詰まらせながら語った。
「莉子がテレビ電話の時、いつも恥ずかしがりやで母親そっくり。『おじいちゃん、新しい水着を買ったから沖縄で海に連れてってちょうだい』、『かき氷も食べたい』って。2人は沖縄に来る予定だった。2人がいつも来るとき、寝床も全部整えて準備をしていて。次の日にこういうことが起こったもんですから、すぐその日に飛んできた。警察署で遅くに。莉子はもう見られる状況じゃなかったんです」
真菜さんとの思い出にも、涙ながらに触れていた。
「(事故後)真菜のお友達もわたしを慰めたりするために家に来てくれて。集まってくれることはうれしかったんですけど、その中にうちの真菜がいないもんですから...。みんなの前で泣いてしまって。(事故から)何カ月もたつけど、夢を見ているような。携帯を開けたら、真菜に電話してみようかなと思った。2年前に女房を亡くしたんですよ。かなり落ち込んで、大好きな女房だったもんですから。そうしたらこの携帯もテレビ電話にするからって(娘が)買い替えてくれたんですよ。2年前に。1日越しに電話がきて。優しい子だね、とっても親思いで」
飯塚氏について、上原さんは「どうして何人もけがをさせて、2人の尊い命まで奪った人が逮捕もされず......。そういうことが本当にあっていいものなのかと思いましたね。その悔しさがもう第一です」と憤りをあらわにした。18日に沖縄で署名活動をするという。
署名活動は、8月末までは続ける予定。書類送検が終わったタイミングで、東京地検に提出する。署名用紙は、「東池袋自動車暴走死傷事故 遺族のブログ」からダウンロードできる。
(J-CASTニュース編集部 田中美知生)