「皆さんの方がエンターテイナーだよって」
――応援して出資してくれたファンの皆さんが、一部の曲でコーラスに参加できるという、なかなか大胆な特典が出資プランにつきました。
渡邊:ファンによるコーラスは「録ったら面白いけど難しくない?」と企画の段階では思っていたんですが、スタジオ側から「10人くらいまでなら例があるしOK」という返事だったので、2曲でやろうと決めました。出資額はとりあえず「ありがとう」にちなんで「サンキュー」で3万9000円、合計25人にしたのですが、平山さんのファンってライブでよくコール&レスポンスを入れてくれる方が多いんですね。せっかくライブを前提としているのだから気持ちよくコールできる曲があるといいよね、ということで、コーラス収録に参加できたら、ライブ本番でも他の曲でも同じように盛り上がってくれるんじゃないか、と決めました。(ライブ好きなファンが多いので)コーラス参加権付きの上位のプランは埋まるだろうなとはひそかに思っていましたが(笑)。
――平山さんのボーカルと、一般のファンの声がどのようにユニゾンするか、興味深いです。
平山:私がゲームなどでよく歌ってきたかわいらしいイメージとは違う、パワー系の、格好いい曲になっているんです。男性のガッツがある声もすごく映えるようになっていて、私も聴かせていただいたのですけど、皆さんものすごいパワーで収録にエネルギーを込めてくれてそれが私にも伝わってきました。曲にマッチしている以上に、コーラスと私のボーカルが熱気対熱気、魂と魂のぶつかりあいのような作品になるかなと思います。
――最高額の出資コースのP(プロデューサー)コースになると、コーラス参加権に加えてブックレットに名前が記載されます。
渡邊:このプロジェクトを立ち上げたのは僕らですが、ファンも(アルバム制作に)参加したいだろうと思います。そこで少人数とはいえファンの気持ちを形にできるよう考えて用意しました。平山さんのファンはアイドルマスターのプレイヤーも多いので、「プロデュース」という発想とも親和性が高いのも確かですが、アイマスはアイマスで入り口として親しんでもらいつつ、平山さんの自由な表現を堪能してほしいですね。
――そのファンの方からは、平山さんは今までどのような声援をもらっていましたか?
平山:「歌が好き」「声が好き」っておっしゃってくださる方がすごく多くて。もともと声を使ったお芝居の現場を歩んできたので、歌を評価されると不思議な気持ちになるんですけど(笑)、でもすごい皆さん耳がすごく肥えてらっしゃって、私がこだわって歌ったところを「ここの歌い方がすごく好きです」というように言ってくれます。そこは私も「こういう風に聞こえたらいいな」って思ったことが通じているということなので、うれしく受け取っています。
それと、すごく誠実で紳士的な方が多いんです。お手紙の言葉なんかも読んでも、アーティストを応援するというより近い人をサポートするような感覚で応援してくださる方が多いのかなと思います。エンタメの世界にいるのは私なのに、ファンの皆さんの方がエンターテイナーだよってくらいに、親身な言葉をもらっています。