聯合ニュース・朝鮮日報の過去記事に「盗人猛々しい」
では、聯合ニュースと朝鮮日報の日本語版サイトが、「盗人猛々しい」という表現を普段から使っていないのか、というとそうではなく、過去記事で見つかる。たとえば、聯合ニュース「韓国国会議長『追い込まれた安倍首相(略)』」(2月18日)記事の本文では、「『(略)私に謝罪しろとは何事か』としながら、『盗人猛々しい』と述べた」とある。朝鮮日報でも、7月11日記事(輸出優遇除外 韓国野党議員『フッ化水素(略)』)に、「日本は経済報復という盗人猛々しい態度を即剤に中断すべきだ」と出てくる。
韓国の青瓦台(大統領府)サイトには、文大統領発言の全文がハングルで紹介されている。該当箇所を複数の翻訳サイトを使って訳すと、韓国メディアの表現に近い日本語になり、「盗人~」表現は出てこない。
一方、先の聯合ニュース2月記事のハングル版で該当箇所を確認し、翻訳サイトで訳すと、「泥棒が自身の足がしびれたことで居直り」といった趣旨の日本語になった。「泥棒」の単語も登場しており、今回の文大統領発言の該当箇所では、「泥棒」の単語は見当たらない。
直訳か意訳か、意訳だとしてニュアンスがピッタリなのか少し強すぎる(弱すぎる)のか、といった問題もありそうだ。ツイッターでは、韓国語に詳しい人たちが、今回の文大統領発言の「盗人猛々しい」訳について、間違いではないか、いや違和感ない、といった意見を表明している。