映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の制作者委員会を相手取り、小説家の久美(くみ)沙織さんが民事訴訟を起こしたことが2019年8月2日、分かった。
久美さんは『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の原作であるゲーム「ドラゴンクエストV」の、ノベライズ版の作者。小説のキャラクターの名前が無断で使用されたなどとして、映画のクレジットに自身の名前の掲載などを求めている。
「水を差すこともしたくはなかった」
人気ゲーム「ドラゴンクエスト」の映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』が、8月2日に公開された。
久美さんは同日、ツイッターで自身の著書『小説ドラゴンクエスト5―天空の花嫁』(エニックス<現スクウェア・エニックス>)の主人公の略称「リュカ」を無断で使用され、本名の一部も改変されたとして、使用許諾契約の締結や映画のクレジットへの自身の名前の掲載などを求め、長野地裁に提訴したと発表した。訴状は8月2日付。
久美さんは報道向けの発表文で、「ドラゴンクエストVを映画化するにあたり、主人公の名にリュカを使うとしたら、それは私の小説が存在したゆえで、また、その読者のかたがたが多数おられたからだと思われました」と提訴に踏み切った理由を説明。
続けて、「訴訟の請求事項は名誉回復のみであり、金銭賠償の請求はしておりません。また、映画の上映差し止めも請求しておりません。楽しい映画ですから、多くのかたにご覧頂きたいと、心底、思っております。本当は本件訴訟のような水を差すこともしたくはなかったのです」と心境を明かし、「ファンのみなさまにおかけするご迷惑ができるだけ少ない方法で、事後承諾でいいので、契約し、クレジットしていただければ十分です」と要望した。
ツイートは3000以上リツイートされ、ファンから
「製作陣が先生に対して誠意ある対応をすることを願います」
「まさか主人公の名前が無許可だとは...クレジットに久美沙織さんのお名前が並ぶことを切に願います」
といった声が寄せられている。