「nanaco(ナナコ)」の還元率を戻してよ!――「7pay(セブンペイ)、9月末で終了へ」というニュース速報が流れるとほどなく、こうしたツイートが相次いだ。
nanacoは、セブン&アイ・ホールディングス(7&i HD)の電子マネー(カード、モバイル)。スマートフォン決済サービス「7pay」が2019年7月から稼働したのに合わせ、ポイント還元率が半分に減っていた。還元率は戻るのか。セブンによる「7pay、9月末で廃止」会見の中で、「nanaco還元率の今後」に触れる一幕もあった。
「100円で1ポイント」が「200円で1ポイント」に
2019年8月1日の13時前後、共同通信などが「セブンペイ、9月末で終了へ」と速報ニュースを配信した。速報ニュースが流れる前から、セブン側はメディアに対し、1日15時から会見を開くと、内容詳細には触れずに連絡を入れていた。
「7pay」は7月1日、鳴り物入りでサービスが始まったものの、わずか数日のうちにネット上で不正利用被害の報告が相次いだ。4日には運営会社(セブン・ペイ)が会見を開いて、新規登録やチャージを停止すると発表し、その後の動向に注目が集まっていた。
速報ニュースが流れると、ツイッターには、
「nanacoのポイント還元率もどせ」
「7pay、終わってもいいけど、nanacoのポイント率、元に戻してよ!」
といった声が続々と寄せられた。
「nanaco」は従来、100円(税抜)の支払いごとに「1(nanaco)ポイント」がたまる仕組みになっていた。「1ポイント=1円」で電子マネーに交換して利用することができる。それが、「7pay」サービスが始まった7月からは、「200円(税抜)ごとに1ポイント」に変更されていた。還元率を単純計算すると、従来の1%が0.5%に減った。単に「率」の問題だけでなく、たとえば300円の利用では、「かつて3ポイントだったのが、1ポイントに」と、「半減」以上のマイナス効果が出る場合もあり、不満をもらす人も出ていた。
「あらためて検討したい」
8月1日のセブン側会見では、主題の「7pay」に関してだけでなく、「nanacoの還元率を元に戻すのか」という質問も出た。
7&i HD執行役員で、セキュリティ対策プロジェクトリーダーの清水健氏は、nanacoの還元率の「見直し」(半減)について、「7pay」導入という要因もあって実施したとして、今回の「7pay」廃止の決定を受け、
「(nanaco還元率の)その後の対応については、あらためて検討したいと考えております」
と答えた。単なる「検討表明」にも聞こえるが、還元率の低減について「7pay導入という要因」に触れ、その上で今回の「7pay廃止決定」にも言及していることから、還元率について、「元に戻す」ことも含めて、何だかの「(還元率)引き上げ」が念頭にあっても不思議ではなさそうだ。
会見の模様は、一部メディアが動画で中継するなどしたが、会見内容を順次速報する記事では「7pay」関連の話が多かったせいか、会見の途中や会見後にも、「nanacoの還元率」がどうなるのか、と気にするツイートが見受けられた。中には、
「(nanacoの還元率が半分になったが、)7pay終了後もそのままだったら俺は(略)セブンイレブンを見限ると思う」
と、還元率が上昇することを強く求める声もあった。
nanacoの還元率に変化をもたらした「7pay」は、9月末に廃止となる。