元徴用工らへの賠償を命じる判決や、韓国への「ホワイト国」解除をめぐる問題は、もはや日韓の2国間の問題ではなくなったようだ。
米国が日韓に対して、事態を悪化させないための時間稼ぎをする「据え置き協定」の提案をしたという報道があったのに続いて(日本政府は否定)、米国のポンペオ国務長官は日米韓の外相会談を開いて「(日韓)両国にとって良い状況が見つかる手助け」をしたい考えだ。ここでポンペオ氏が口にしたのが、北朝鮮の非核化の問題だ。韓国側で日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄すべきだという議論が起こっていることに警戒感を強めている可能性もある。
協定で「二国間の溝が解決できるわけではないが」...
米国が日韓の「仲介」を試みる動きが加速している。ロイター通信は7月31日未明(日本時間)、米政府高官の話として、
「米国が日韓に対して、交渉の時間をかせぐために深刻な外交問題について『据え置き協定(standstill agreement)』の署名を検討するように求めた」
などと報じた。この高官は、協定の狙いを
「据え置き協定で二国間の溝が解決できるわけではないが、話し合いの時間を設けることで、さらなる措置を一定期間防ぐことはできる」
などと説明したという。
これに加えて、米国のポンペオ外相は8月初旬にバンコクで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議で、河野太郎外相、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相と個別に会談した上で、3者会談を開きたい考えだ。ポンペオ氏は7月31日にバンコクに向かう機内で開いた記者会見で、3者会談で
「前進するための道筋が見つかるように促す」と説明。その意義を北朝鮮問題とからめながら
「これは重要なことだと考えている。両国とも米国の偉大なパートナーで、両国とも北朝鮮の非核化に向けた努力のために、米国と緊密に連携している。両国にとって良い状況が見つかる手助けができれば、それは米国にとっても重要で、両国お互いにとってもそうだ」
と話した。仮に3か国間の会談が行われれば、ロイターが報じたような「据え置き協定」が議題になる可能性もある。