パ・リーグが混戦の様相を呈している。首位ソフトバンクを筆頭に、4位・楽天までが4.5ゲームの中でひしめき合っている。5位ロッテをみてもソフトバンクと6.5ゲーム差で、逆転優勝の可能性は十分にある。
混沌としてきたパ・リーグのペナントレース。今後、どのような展開を見せるのか、J-CAST編集部は、一昨年まで日ハムの2軍監督を務めた田中幸雄氏(51)に話を聞いた。
「ファイターズの投手陣に関しては全く心配していません」
2019年7月30日に札幌ドームで行われた日ハム-楽天戦のテレビ解説を務めた田中氏は、「ファイターズの投手陣に関しては全く心配していません」と話した。試合は楽天先発の弓削隼人投手(25)が日ハム打線を2安打に抑え込み完封勝利。一方の日ハムは、先発・吉川光夫投手(31)が2回に下水流昂外野手(31)に2ランを浴び、これが決勝点となった。
日ハムは先発・吉川を4回で交代させ、以降は細かい継投策で楽天打線を無失点に抑えた。4人の中継ぎ、リリーフを投入し、さながら「ブルペンデー」のような継投だった。4試合連続で2ケタ安打をマークしていた打線がこの日は沈黙。投手陣の好投に最後まで応えることが出来なかった。
「ファイターズは2安打に終わりましたが、長いシーズン、こういう日もあります。打てなかったというよりも、楽天の弓削投手の投球が非常に良かった。腕がしっかり振れていましたし、カットボール、スライダーを有効的に使っていました。ファイターズ打線はうまく芯を外されていました」(田中氏)
上位4チームが貯金生活、戦国時代に入ったパ・リーグ
一方、日ハム投手陣について田中氏は「先発の吉川投手は回を追うごとに球速が落ちていきましたが、2回のホームランは決して悪い球ではありませんでした。逆球のアウトロー低めをうまく下水流が打ちました。結局、得点はこの2ランの2点だけですし、中継ぎ陣は安定感がありました。ショートイニングをそれぞれしっかり抑えましたし、先発、中継ぎのバランスがいいと感じます」と指摘した。
前半戦、首位を快走していたソフトバンクがオールスターゲーム直後に5連敗を喫し、その後も3連敗を喫するなど、7月30日時点の後半戦の成績は4勝9敗と大きく負け越している。ソフトバンクの失速もあり、上位4チームが貯金生活をしており、パ・リーグはいま「戦国」状態に入っている。
「パ・リーグはどのチームが首位に立ってもおかしくはない状態にいます。どのチームも負けられない試合が続きますが、その中でどのようにして失点を防ぐかが重要になると思います。打線に関しては、その時のチーム状態によって大きく変わってきますので、投手陣が安定しているチームが上がってくると思います。ファイターズにも言えることですが、いかにして失点を抑えるか。投手力が安定したチームが優位に立つと思います」(田中氏)