軌道に乗った日ハム「オープナー」戦術 懸念は救援陣の疲労だが...

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   日本ハムの投手起用が球界の常識を変えるかもしれない。7月に入り30日までに15勝6敗と大きく勝ち越して2位に浮上。ソフトバンクを猛追している。

   その中で、他球団と明らかに違うのが継投策だ。21試合で先発投手が勝利投手の権利を獲得する5回以上投げたのは7試合のみ。だが、このデータは打ち込まれて早々と降板していることを意味するわけではない。

  • 日ハムの「オープナー」が球界を変える?(画像は本拠地・札幌ドーム)
    日ハムの「オープナー」が球界を変える?(画像は本拠地・札幌ドーム)
  • 日ハムの「オープナー」が球界を変える?(画像は本拠地・札幌ドーム)

勝負の8、9月にどこまで持つか

   今月に入り、5~7日の楽天戦、15~17日のソフトバンク戦と同一カード3連勝を2度しているが、計6勝のうち先発に勝ちが付いたのは、エース・有原航平が投げた2試合のみ。残りの4試合を見ると、6日は堀瑞輝が2回無失点、7日は加藤貴之が2回無失点、15日は堀が3回無失点、16日は杉浦稔大が4回2失点と試合序盤に降板し、継投策で白星をつかみ取っている。23日のオリックス戦(ほっともっと神戸)では古巣との対戦となった金子弌大が先発で6回までノーヒットノーランの快投も、7回に公文克彦にスイッチ。蒸し暑い気候で体に異変が起きた可能性もあるが、個人の大記録よりチームの勝ち星を優先した。

   先発が無失点に抑えても、相手打線が二回り目になったら他の投手にスイッチした方が抑える確率が高い。この信念による日本ハム流「オープナー」は今季から導入された。シーズン当初は好投している先発投手を早々と交代させた直後に2番手投手が打ち込まれるなど、栗山英樹監督の采配が裏目に出ることも少なくなかった。だが、中継ぎの投手たちも試合序盤からの継投策にリズムをつかみだしたのだろう。安定した投球でバトンタッチができるようになり、チームは上昇気流に乗った。

   懸念は救援陣の疲労だ。今月の21試合で登板した投手はのべ計112人。1試合平均5投手以上が登板している計算になる。他球団の首脳陣は「救援が常に投げている状況で疲れもかなりたまっていると思う。勝負の8、9月で日本ハムのこの継投策がいつまで持つかなとも感じる」と分析する。先発の柱が長いイニング投げなくても勝てることを証明した日本ハムの快進撃が今後も続くのか、要注目だ。

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