JALとANAが、「ウラジオストク直行便」参入を同時発表した背景

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無料の「電子ビザ」後押しで

 

   それが、ここ数年で人気が急上昇している。ウラジオストクがある沿海地方政府は19年7月11日、19年上半期に約40万人の外国人が訪れ、そのうち観光客が約30万人だったと発表した。観光客は前年同期比で25%伸びたという。国籍別で最も多いのが中国で約15万人。次が韓国で約12万2000人、日本は3番手で約1万1000人だった。ただ、18年上期の日本人観光客は約5000人で、1年間で2.3倍に増えている。伸び率は3か国の中では最も高い。

   この背景のひとつが、17年8月に沿海地方向けに導入された無料の「電子ビザ」だ。これまで、ロシアのビザは手続きが煩雑なことで知られてきたが、「電子ビザ」ではロシア外務省のウェブサイトでパスポートの情報を入力して顔写真をアップロードすれば、ビザがPDFファイルで送られてくる。

   ロシアから日本に来る人も増えている。日本政府観光局(JNTO)によると、18年にロシアから日本を訪れた人は前年比22.7%増の約9万4800人で過去最高を記録している。JNTOでは、極東地域からの便が増えて航空運賃が値下がりしたり、17年にビザの要件が緩和されたりしたことが背景にあるとみている。

   運航開始時期は、ANAが「2020年3月(2019年ウインターダイヤ中)」で、JALが「2020年度夏季ダイヤ」だと発表している。19年冬ダイヤは20年3月28日に終わり、翌3月29日に20年夏ダイヤが始まるため、両社はほぼ同じ時期に運航を始めるとみられる。JALは夏ダイヤの間、小型機のボーイング737-800型機(144人乗り)が1日1往復するとしている。ANAは運航頻度や使用機材について追って発表する。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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