「乱獲に一定の歯止め」との見方もあるが...
55万6250トンの漁獲枠の内訳は、日本とロシアの排他的経済水域(EEZ)内が22万6250トン(2018年実績は約9万トン)、公海が33万トン(同約35万トン)。具体的な各国への割当量は2020年の会合で改めて議論するが、公海では当面、各国の漁獲量が前年を超えないようにするという。EEZ内は、日本とロシアで議論して決める。
この数字、日本はEEZ内で前年よりたくさん獲っていいと読め、一見するとお得のようだが、サンマが少なくなっている近年の実態を考えると、枠があってもそこまでは獲れない可能性が強い。一方、公海で操業する中台などは、現状追認。「現状より増やせないのだから、乱獲に一定の歯止めはかけられた」(水産庁)、「枠はあっても厳しいものでなく、実効性はあまり期待できない」(大手紙経済部デスク)と、評価は分かれるところだ。
いずれにせよ、今回の合意で資源がにわかに回復するとは考えにくく、安くておいしいサンマが潤沢に日本の食卓に並ぶ日を取り戻すためには、今後、漁獲枠を厳しくていけるかが、ポイントになる。