一人のつぶやきが、ネットの怒りに火をつける 知っておきたい「ジェンダー炎上」の実情

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「働く女は、結局中身、オスである」

   ドマーニの広告は、最新号の宣伝のために東京メトロ・表参道駅に掲出された。

   広告では、「ニッポンのワーキングマザーはかっこいい!」として、「働く女は、結局中身、オスである」「今さらモテても迷惑なだけ」「"ママに見えない"が最高のほめ言葉」「ちょっと不良なママでごめんね」「忙しくても、ママ感出してかない!」などと書き連ねている。

ドマーニの当該広告
ドマーニの当該広告

   フリーランスライターのセニョーラカオリさん(30代女性)は、広告を批判するツイートを連投し、計約1800リツイートされて注目を集めた。

   セニョーラさんは一連のコピーで、自身のつらい過去を思い出した。

「総合職の女性には経験がある人が多いと思うのですが、私自身も20代で『男性化』を求められ、それに応えようとして心身を壊した時期がありました。20代末にしてやっと『働く=男性化すること』ではない、と悟ったので、同誌のコピーは30代~40代の働く女性向けのものとして虚しいものだと感じました」

   また、コピーは現代の価値観に合っていないと突き放す。「男性のように働くことや『男のようであること=かっこいい』とうたう姿勢に、1980年代のような古さと落胆を感じてしまいました。同紙のターゲットとなるワーキングマザーとしては、自分の役割やアイデンティティの一部を否定されているような矛盾を感じるのではないでしょうか」

   ドマーニ編集部への提言を聞くと、「ママ向け雑誌の『VERY(ヴェリィ)』がワーキングマザー、専業主婦の両方を読者として上手に取り込んでいるので、今回の広告は前者の方をターゲットにしたものと思います。ですが差別化のためとはいえ、『オスである』という誰も夢を描けないコピーを出すべきではなかったと思います。ファッションに特化しているなど、ドマーニならではの売り出していきたい特徴があるなら、奇をてらわずにそれをシンプルに打ち出せばよかったのではないでしょうか」(セニョーラさん)

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