車掌、運転士ともに気付かず、駅係員も...
車掌は普段、駅停車時は列車の最後方からホームを見渡すが、今回は車内放送をしたため、車両ドアの開扉を確認していなかった。運転士も、非常ブレーキによる急停止措置をとったことを早稲田駅停車中に指令所に報告するため車内にいた。そのため、車掌はホームの状況を確認しきれず、ホームドアの開扉と車両ドアの開扉を混同してしまったという。
では駅係員は、というと、そもそも今回のトラブル発生時はホームに駅係員が配置されていない時間帯だった。早稲田駅では朝の通勤時間帯のうち、利用客数が多くなる8時~9時30分の間のみ駅係員をホームに置いている。発表文によると、トラブルがあった列車の乗車率は約20%(約300人)で、早稲田駅で乗車できなかった人数は約7人、降車できなかったと申し出があった人数は5人だった。
広報担当は「今回の件を機に当該時間に駅係員を配置することは検討しておりません。車掌の基本動作ができなかったことが原因と考えています」と話す。ここで言う車掌の基本動作とは、車両ドアの開閉操作だ。ホームドアが自動開扉すると表示灯が点灯し、車掌はこれを確認して、車両ドアを手動で開閉扉する。車両ドアを開き、車体についている車側灯が点灯するのを確認するまでが開扉作業の一連の動作だという。
東京メトロで駅に停車しながら車両ドアが開扉せずに発車した前回の例は、約5年前の2014年8月という。広報は「車掌・運転士の基本動作を徹底していきます」と話している。
(29日20時30分追記:指摘を受けて記事の内容を一部修正しました。)
(J-CASTニュース編集部 青木正典)