「午後ティー女子」炎上から、キリンはどう学び、どう変わったのか

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想定外だった「炎上」

   狙いは午後の紅茶に対する「親しみ」を持ってもらうことだった。キリンホールディングス(HD)広報はこう話す。

「ロングセラー商品ということもあり、我々としては若い女性に親しみを持ってもらうために打ち出した施策でした。『こういう女の子いるよね』という、いわゆる『あるあるネタ』です。

しかし、午後の紅茶というブランドと結びつけたのが反発を呼んだものと思います。『自分は午後の紅茶のレモンティーが好きなのに、こういう風に見られているのか...』というような。外から見て親しみを持ってもらいたかったのが、自分と重ね合わせて捉えられたのだと思います」

   批判が寄せられることは全くの想定外だった。昨今はSNSの発達に伴い、意図的に炎上を起こして注目度を上げる手法を指して「炎上マーケティング」と呼ばれるが、これにも全く当たらないという。目標のリツイート数やいいね数といった、明確な数値目標も設けなかった。重要なのはブランド力の向上。だからこそ炎上を重く見た。

「広告を出すにあたって、キリンブランドは必ず守らなければなりません。頂いたご批判の中には午後の紅茶そのものにも厳しいお声がありました」

   広告施策に関しては管理のための社内ガイドラインがある。取り下げ(削除)の判断の仕方も定めており、「お客様にご不快な思いを抱かせたかどうか」が最も大きな要素となる(「不快な思い」については後述)。これに該当し得る事象が発生した場合に緊急対策会議を開き、即座に謝罪や削除などの対応をとるか決議する。「午後ティー女子の炎上は皆様にご不快な思いを抱かせ、午後の紅茶のブランド毀損につながるのが明らかでした」というのが会社としての結論。ガイドラインに定める「スピード重視」で対応し、削除と謝罪に至った。

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