「金メダルを噛む」ポーズ、日本人第1号は誰? 当時を知る人に聞くと...

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日本人第一号はアトランタ五輪男子柔道の中村氏

   では、日本人の金メダリストで初めてメダルを噛むポーズをした選手は誰なのか。ネットなどで長らく第一号と「認識」されていたのが柔道で五輪3連覇を成し遂げた野村忠宏氏だ。1996年アトランタ五輪で初優勝した際、金メダルに噛みつく野村氏の仕草を記者もよく覚えている。だが、野村氏はこの噂を否定しており、このポーズをしたのは、ある先輩を真似たものだったと告白している。

   野村氏が真似た先輩とは...。それは同じ柔道代表の中村兼三氏だという。1996年アトランタ五輪代表の中村氏は、野村氏が金メダルを獲得する2日前に男子71キロ級で優勝している。当時の画像を確認すると、表彰式後、中村氏は確かに金メダルを噛むポーズをしている。野村氏の証言をもとに検証すると、日本人金メダリストで初めてメダルを噛むポーズをしたのは、中村氏ということになる。

   当時、スポーツ紙に掲載された中村氏の写真について関係者に話を聞いたところ、なぜ中村氏がメダルを噛むポーズをしたのか、その理由が判明した。それは現場のカメラマンが中村氏に要請したからだという。おそらく中村氏にはメダルを「噛む」という発想はなかっただろう。いずれにせよ、中村氏から始まったものが2日後に野村氏に受け継がれ、現在に至っているということになる。

   この4年後のシドニー五輪で悲願の金メダルを獲得した女子柔道の谷(旧姓・田村)亮子さんは、表彰式で金メダルにそっとキスをした。また、同大会で金メダルを獲得した男子柔道の井上康生氏は、亡き母の遺影を胸に抱えて表彰台に上がった。五輪のメダルは、そのメダルの色に限らず、獲得したアスリートそれぞれの思いがつまっている。東京五輪では、どのようなドラマが待っているのか。世界のスポーツの祭典まであと1年を切った。

(J-CASTニュース編集部 木村直樹)

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