「信頼関係を取り戻す措置をやるべきだ」
この問題では、7月10日の康京和(カン・ギョンファ)外相が米国のポンペオ国務長官との電話会談で問題提起したほか、スイス・ジュネーブで7月24日(現地時間)に開かれた世界貿易機関(WTO)の一般理事会で、韓国が日本を非難。日本が反論する場面があった。今回の記者会見のテーマは、「考えられる解決策」。松川氏は韓国側の対応が不可欠だとの立場だ。
「韓国がやるべきことは、WTOに行ったり、米国に行って『日本が悪いんです』と日本のことを非難するのではなく、輸出管理体制をもう少し充実させる。例えば韓国の場合は11人しか管理する人がいないが、日本は120人態勢でやっている」
「今は対話がないまま信頼関係が崩れているわけだから、こうした信頼関係を取り戻す措置をやるべきだ」
李氏「日本政府は一切具体的な違反事例を提示したものは今までない」
一方の李氏は、日本に対してさらに外交努力を求める立場。WTOなどの原則では、
「特定の国の貿易関係で急に政策が変わる場合は、それにきちんとした説明が必ず必要になる」
とした上で、主要20カ国・地域(G20)首脳会議で安倍晋三首相が韓国との首脳会談に応じなかったことを指摘し、
「(G20直後の)7月1日に一方的に貿易規制措置を報復として打ったことになる」
「今の時点で(ホワイトリストから)排除する具体的な理由が何か(の説明)を韓国政府は求めているが、日本政府は一切具体的な違反事例を提示したものは今までない」
などとして、ホワイトリストからの除外は徴用工問題が影響しているとの見方だ。
松川氏はこれに先立つ議論で、
「輸出とつくから、なんか貿易と似てると思われそうだが、輸出管理=arms control regime と trade(貿易)は全然違う」
「ホワイト国の指定は完全にその国の裁量で行える」
とも主張しており、議論がかみ合わない部分も目立った。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)